東海大甲府 躍進の裏に「甲子園に行くために必要不可欠」献身マネジャーの存在

[ 2021年1月20日 09:00 ]

東海大甲府を陰で支えるマネジャーの杉本さん(撮影・光山 貴大)
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 センバツ出場校が今月29日の選考委員会で決まる。関東大会4強の東海大甲府(山梨)は出場が確実だ。記者は今月、同校を訪れ躍進の秘密を探った。村中秀人監督、三浦諒太主将らへの取材を経て堅守のチームと分かったが、立役者でマネジャーの杉本沙耶さん(2年)の名が共通して挙がった。三浦主将は「甲子園に行くために必要不可欠な存在」と言葉に力を込めた。

 昨秋の関東大会4強入りを懸けた東海大相模(神奈川)との準々決勝。勝てば念願の甲子園出場が当確する大一番だ。記録員でZOZOマリンスタジアムのベンチに杉本さんは入った。相手のプロ注目左腕・石田隼都に好投を許し、0―1で迎えた9回裏。1死一、二塁で5番・久井竣也の打球は右前に落ちた。人工芝で大きく跳ねた打球が右翼手を越えて逆転サヨナラ勝利。ベンチの選手はグラウンドに飛び出して歓喜の輪を作った。嬉しくて涙が止まらない杉本さんは1人だけベンチに残っていた三浦主将から肩を叩かれた。「勝ったな…」。涙はさらに溢れ、手元のスコアブックに落ちた。

 元々は野球に興味がなく、甲子園の存在も知らなかった。転機は入学直後。野球部の練習を偶然見かけた時だった。杉本さんは「すごく一生懸命で、支えたいと思いました」と当時を振り返る。マネジャーとしての最初の仕事はスコアブックの記入。謎の数字とアルファベットが並ぶノートを初めて開いた時はめまいがしたという。1年の夏が終わると唯一の先輩マネジャーが引退。1人になった。誰よりも早くグラウンドに行き、最後まで残る。選手の熱中症を防ぐため、真夏に1日中ドリンクを作り続けたこともある。重労働の日々だが「選手が頑張っている姿を見るのが好き。“ありがとう”の言葉にやりがいを感じました」と笑う。

 昨春は1年生の後輩マネジャーも加わった。今では「なぜ彼らが青春を白球に捧げるのか」も理解できる。依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっているこの冬、卒業後は看護師を目指すことを決めた。思いは変わらない。誰かの支えになりたい――。頼れるマネジャーが東海大甲府のベンチにはいる。(記者コラム 柳内 遼平)

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