巨人・増田大 走攻守&投の“ユーティリティ査定”で700万円アップ!元とび職がつかんだドリーム

[ 2020年12月10日 05:30 ]

8月6日の阪神戦、投手としてマウンドに上がった増田大
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 巨人・増田大輝内野手(27)が9日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、700万円増の年俸2200万円でサイン。内外野を守れる代走の切り札は8月6日の阪神戦(甲子園)で主力投手温存のために救援登板したことも含めた「ユーティリティー性」でリーグ連覇に貢献したことを高く評価された。プロ入り前は「とび職」も経験した苦労人が、ジャイアンツドリームを突き進む。

 走って、守って、打って、そして憧れの甲子園でマウンドにも上がった。万能ぶりが際だった2020年。一時は球界の話題の中心だった増田大は充実した表情で700万円アップの喜びを語った。

 「(球団からは)内外野を守って、ピッチャーもしてという話をしていただいた。しっかり与えられた役割を全うできるように、また来年も頑張りたい」

 昨年に続いて主に代走でチームを支えていた27歳が「時の人」となったのは8月6日の阪神戦。0―11で大勢が決していた8回1死から投手としてマウンドに上がった。野手の公式戦登板はプロ野球でも20年ぶりでチームでは2リーグ制以降初。スタンド全体がどよめく中、2/3回で1四球を与えながら無安打無失点に抑えた。コロナ禍の過密日程を見据えた原監督のメジャー流の采配は直後からOBやファンを中心にネットで論争が巻き起こるほどの注目を集めた。

 その後も9月17日の同戦でブルペン待機。登録は内野手だが捕手と一塁以外は全て守るなどフル回転した。「本業」でもリーグ2位の23盗塁を記録。48打席ながら打率・297、出塁率・458と結果を残し「目標の出塁率3割5分を超えることができた」と笑う。

 近大を2年時に中退し、地元の徳島でとび職に就いた苦労人。プロ入り前の13年は外壁工事やペンキ塗りのための足場を組む仕事をこなし「20日行って給料は16万円ほど。日当換算で8000円ぐらい」と述懐する。単純計算で当時年収は192万円。数年後に年収は10倍以上になった。

 「レギュラーが一番の目標。唯一無二の存在になりたい。盗塁王も獲れるように。(阪神の)近本くんに勝たないと(ソフトバンクの)周東くんとも戦えない」と増田大。来季も投手温存や緊急事態などでマウンドに上がる可能性はある。ジャイアンツドリームには、まだまだ続きがある。(青森 正宣)

 ▽増田大の甲子園登板 8月6日の阪神戦で0―11の8回1死から6番手でマウンドへ。1四球を与えたものの、近本を二ゴロ、大山を右飛に抑え2/3回を無安打無失点だった。高校時代の自己最速を2キロ更新する138キロも記録し「甲子園で投げているのが凄くうれしかった」。野手の公式戦登板は00年6月3日のオリックス・五十嵐章人(近鉄戦)以来20年ぶりで巨人では2リーグ制以降初。中川ら4投手を温存しての起用に賛否両論が巻き起こった。

 ◆増田 大輝(ますだ・だいき)1993年(平5)7月29日生まれ、徳島県出身の27歳。小松島では3年夏の県大会4強が最高成績。近大中退後、四国IL・徳島に2年間在籍し、15年育成ドラフト1位で巨人入団。17年7月に支配下登録された。50メートル5秒9。通算成績は149試合で打率.241、0本塁打、8打点、38盗塁。1メートル72、68キロ。右投げ右打ち。

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