広島・誠也 球団野手史上最高3億1000万円 メジャー挑戦へ意見交換も

[ 2020年12月10日 05:30 ]

「バリバリバリ」と来季のキャッチフレーズのように新型コロナウイスルを打ち破るべく、変顔を決める鈴木誠
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 広島の鈴木誠也外野手(26)が9日、広島市南区の球団事務所で契約交渉に臨み、今季から3000万円増で球団最高額となる推定年俸3億1000万円で更改した。史上4人目の5年連続「3割、25本塁打」を達成しながら、チームは2年連続Bクラスに沈んだ今季。主砲は来季の巻き返しを強く誓う一方、公の場でメジャー挑戦の可能性に初めて言及した。

 メジャーから復帰した黒田博樹(16年、6億円)に次ぐ球団歴代2番目の高額年俸。昨年4年契約を結んだ菊池涼を抜き、球団野手最高額となるチームトップの推定3億1000万円で契約を終えた鈴木誠は、球団の評価を素直に感謝した。

 「今年はコロナで球団(経営)にも大きな影響があったと思う。そういう中でも、頑張って上げてもらえたのはありがたいです」

 8年目の今季は118試合に出場し、打率・300、25本塁打、75打点。5年連続での「3割25発」達成は王貞治、落合博満、小笠原道大に次ぐ史上4人目の快挙ながら「最終戦に出ていないし、調整した感じなので情けない」と打ち明ける。

 本音だった。主砲が最も重視するのはチームの勝利。「3割は目標」でも、チームが5位に沈んだ以上は喜べない。とりわけ夏場は不振が長引き、自分への腹立たしさが態度に表れることもあった。いきおい、口を突く自戒には実感がこもる。

 「責任は感じています。僕が打てなくて負けた試合は数多い。いろんなことが重なって難しかったけど、いい経験になりました」

 巻き返しを誓う2021年。来夏に延期となった東京五輪に向けては「選ばれたら頑張りたい」と短くコメント。一方、スポニチ本紙の新春インタビューで将来目標に掲げたメジャー挑戦については、契約更改後の会見の場で初めて言及してみせた。

 「(コロナ禍で)状況が難しいけど、タイミングが合えば」

 ポスティングシステムについて「深くではなく、少しだけ」球団と話し合ったと認め、来オフの活用には慎重に言葉を選んだ。

 その前にやるべきことがある。2年連続Bクラスの現状に危機感を抱き「優勝した時のチームにはほど遠い。まずはAクラスに入れるように。若手が台頭しないと(Vは)難しいので、彼らがやりやすい環境を作っていきたい」。主砲としての仕事にも力を込める。

 「しっかり活躍できれば、優勝が見えてくると思う。僕がしっかりしないと」

 圧倒的な成績を残して成長を続ける26歳。紆余(うよ)曲折を経験し、人間的な熟成度を増すであろう来季、スラッガーから目が離せない。(江尾 卓也)

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2020年12月10日のニュース