広島・一岡 魔球使える!揺れて落ちる120キロ台「ナックルフォーク」 捕手も捕れない

[ 2019年11月11日 05:30 ]

大野練習場でブルペン入りする一岡
Photo By スポニチ

 広島・一岡竜司投手(28)が10日、「落ちる魔球」の完全習得を期した。廿日市市内の大野練習場での秋季練習でブルペン入りし、「ナックルフォーク」を試投。揺れの大きさにブルペン捕手が数球後逸し、見守った大瀬良らを驚かせた。実戦では多投していない持ち球を、勝負球にまで磨きあげる自信を見せた。

 揺れてから大きく落ちた。真後ろで見守った大瀬良と野村は「うわっ!」と同時に声を上げた。ボロメブルペン捕手は「すごい…。捕るのも難しい」と後逸。全76球のブルペン投球で数球試投した一岡のフォークが「落ちる魔球」と化して大野練習場のブルペンをざわつかせた。

 「遅いフォークで勝負できる自信はある。極められたら、この球でご飯を食べられるぐらいになると思う」

 球速の異なる2種類の落ち球を操り、シーズン中は主に135キロ前後の速いフォークを選択している。今回ナインを驚かせたのは、120キロ程度の遅いフォーク。回転数が少なく“ナックルフォーク”としてブレ球に変化する一方で、実戦投球は限定的だった。
 「制球が不安定で、100%変化する球ではない。揺れずに落ちないこともある事故の多い球です」

 完全習得すれば魔球に変身するフォークには、こだわりがある。「初めて覚えた変化球だし、この球でプロに入った」。プロ入り後に確率よく落ちる球を求めて“速いフォーク”を習得したが、決して“ナックルフォーク”を捨てることはなかった。

 「最近カーブ、カットボールの割合が増えただけで、僕のようなタイプはフォークを消してはいけない。真っすぐと落ちる球で評価されていると思う。遅いフォークでも勝負したい」

 今秋は大野練習場での秋季練習に参加。2日に1回のブルペン投球を課して、主力投手では異例の投げ込みを続けている。
 「シーズン中の良かった時ぐらいの状態で投げられている。休んで良くなるタイプではない。ネットスローとかではなくて、12、1月も本格的に投げ込みたい」

 今季33試合登板にとどまる原因となったコンディション不良は完治した。魔球を磨きながら、完全復活を期す来季への準備を進める。(河合 洋介)

続きを表示

2019年11月11日のニュース