日本製鉄鹿島・玉置 現役最後のマウンドは4回2失点「球児さんのエールが心の支えでした」

[ 2019年11月3日 20:06 ]

第45回社会人野球日本選手権準決勝   日本製鉄鹿島1―4日本生命 ( 2019年11月3日    京セラD )

<日本生命・日本製鉄鹿島>4回2死三塁、多田を空振り三振に仕留め、雄叫びを上げる日本製鉄鹿島・玉置(撮影・北條 貴史)
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 「球児さんのエールが心の支えでした」。

 第45回社会人野球日本選手権準決勝で、日本製鉄鹿島が日本生命に敗れ、決勝に進出することが出来なかった。今大会限りでの現役引退を決めている玉置隆兼任投手コーチ(33)は先発で4回63球、6安打2失点。最後のマウンドを務めた。

 玉置は04年ドラフト9巡目で市和歌山商から阪神に入団。右の本格派として期待され、06年には1軍デビューを飾った。しかし、右肘痛に悩まされ、1軍定着を果たせず、15年に戦力外通告を受け、11年のプロ生活に別れを告げた。

 その年のトライアウトに挑戦後、知人の紹介で16年から鹿島でプレー。昨年から兼任投手コーチに就任していた。日本選手権1回戦ではJFE西日本戦に先発。日本ハムにドラフト1位指名された河野との投手戦で、10回5安打1失点の力投を見せ、チームを延長12回タイブレークの末でのサヨナラ勝利に導いていた。

 「これで最後と決めていたけど、寂しさより勝てなかった悔しさが大きい。でも、こんなに楽しい野球があるということを知ることが出来て幸せでした。好きな野球を十分させていただいた。会社やチームメート、応援してくれた人に感謝しています」

 阪神退団後も「元気か」などと、事あるごとにメールなどをくれる球児の存在が玉置の支えだった。社会人でプレーを決めたのも「絶対にやれ」という球児の一言が決め手になった。

 今後は所属する日本製鉄鹿島の取引先の運輸会社の会社員に戻る。仕事でこれまでの恩返しを考えている。ゲームセットはまだ先の話だ。

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