阪神・近本、異例の投手練習飛び入り 金村コーチに“弟子入り”で送球改善

[ 2019年11月3日 05:30 ]

平均台を使ってスローイングの練習をする近本(撮影・大森 寛明)
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 阪神の近本光司外野手(24)が2日、投手練習に異例の志願参加し、金村暁投手コーチ(43)から密着指導を受けた。外野からのバックホームの送球を改善するのが目的。早出では連日のウエートトレーニングで肉体強化にも乗り出しており、秋季キャンプでしかできない“チャレンジ”を続ける。

 メーン球場での打撃練習終了後、近本が向かったのは投手陣が練習していたブルペン横のサブグラウンドだった。筒井外野守備走塁コーチに連れられ、普段はなかなか話す機会もない金村投手コーチに“弟子入り”。投手と同じ練習で送球改善に取り組んだ。

 「シーズン中も話はしてもらったんですが(投げ方が)変わってしまうと嫌なんで、できないでいた。今しかできないことなんで」

 低い平均台の上でシャドーピッチングをしたり、ラケットを素振りしてみたり。通常は投手陣が投球練習後などに行うメニューを、金村コーチ、安藤育成コーチらに助言をもらいながら繰り返した。今季の課題となったのが、送球の際に「体の軸がぶれてしまうことがある」。実際の外野守備のように助走をつけてラケットを振るなど、工夫をこらして修正に励んだ。

 金村コーチは「バックホームは、投手の投げ方だと思っているので。シーズン中も話していたけど、この時期だからできること」と説明。近本には投手経験もあるだけに「すぐに直ったというか、自ずといい形に近づいて来ると思う」と太鼓判を押した。

 プロで初の秋季キャンプながら、自分でテーマをつくって積極的に動いている。スライディングの練習では特製パンツをはいて、いかにスピードを落とさず滑り込めるかに挑戦中。その場で動画や連続写真をチェックする念の入れようだ。初日から早出でウエートトレーニングも継続。今季中も痛めたことのある背中の筋肉の強化を主目的に挙げた。

 「背中をよく痛めていたんで、トレーニングができない時もあった。オフシーズンなんで、しっかりやっておこうと。もし症状が出るようなら別の方法でやればいいので」

 走攻守の全ての面で実験的な練習に取り組むプロ1年生。自主性を重んじる矢野監督は「そういう意欲のあるヤツはどんどんやっていけばいい。近本はそういう意欲でここに乗り込んできているので」と目を細めた。今季の華々しい活躍も、序章に過ぎないようだ。 (山添 晴治)

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2019年11月3日のニュース