慶大9戦全勝V 郡司2発4安打で首位打者浮上 1年前の“借り”返し「本当にホッとした」

[ 2019年11月3日 05:30 ]

東京六大学野球 最終週第1日   慶大7-1早大 ( 2019年11月2日    神宮 )

3季ぶり37度目の優勝を決め喜ぶ慶大ナイン
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 早慶1回戦が行われ、慶大が早大を7―1で下して開幕9連勝とし、3季ぶり37度目の優勝を決めた。中日にドラフト4位で指名された4番の郡司裕也捕手(4年)が決勝ソロを含む2打席連発の大活躍を見せた。4安打で打率・414とし、首位打者にも浮上。3日の2回戦も勝てば、慶大としては1928年以来、91年ぶりの10戦全勝優勝の偉業が達成される。

 試合終了の瞬間、郡司の顔がようやくほころんだ。主将で「4番・捕手」の重責を担う男はマウンドで仲間たちとの歓喜の輪をつくり「まずは本当にホッとした。無事に何事もなく、きっちり勝てた」と胸をなで下ろした。

 1―1の6回、左腕・早川が投じた初球、甘く入った内角直球を左翼席へ運んだ。勝ち越しソロにも「全然点が足りない」と思った。「早稲田はいつ爆発するか分からない」と気を引き締め、2―1の8回に自身初の2打席連発となる左越えソロ。リーグ戦通算11本目で一挙4点の口火を切り、ダメを押した。

 最後まで気を緩めない姿は、1年前の屈辱があるからだ。昨秋の早慶3回戦。1点リードの9回、あと3アウトに迫りながら逆転負けを喫して3連覇を逃した。その後、慶大グラウンドの右翼には、当時のスコアが掲げられた。悔しさを片時も忘れないようにだ。
 3年で正捕手だった郡司は「何度も当時の映像を見返した。(前主将の)河合さんが泣いている姿を見て、この悔しさを晴らしたいと」。主将も引き継いだ。開幕から連勝を続ける中で、河合と毎試合ごとに連絡を取った。「“勝っても次だぞ”と言われました」と激励に奮い立ち、開幕9連勝。大久保秀昭監督も「一番手応えを感じられる優勝だった。昨年の悔しさも含め、郡司や柳町が引っ張ってくれた」と称えた。

 3日の2回戦に勝てば史上6度目、慶大では91年ぶりの10戦全勝優勝を果たす。無敗での優勝は3度目(85年秋は1分けあり)となり、ストッキングに3本目の白線が入る予定だ。明治神宮大会(15日開幕)では日本一を目指す。「これまではリーグ戦で力尽きていたが、耐えるための練習もしてきた。自信を持って挑む」と郡司。陸の王者が見据える頂はまだ先にある。 (松井 いつき)

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