大谷、二刀流復活へ「先発&DH」基本もオースマス監督「変わる可能性もある」

[ 2019年9月27日 08:30 ]

Monthly Shohei

左足にギプスを装着して記者会見に臨む大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(25)は今月13日に左膝蓋(しつがい)骨の手術を受け、メジャー2年目が終了。「先発&DH」で復活を目指す大谷の起用法について、ブラッド・オースマス監督(50)がスポニチ本紙の取材に応じ、注目発言を行った。また、「救援&外野」として、マイケル・ロレンゼン投手(27)を起用しているレッズの試みにも直撃。19年の最終回は、二刀流の新時代を予感させる来季に向けて両者を検証する。

 打者に専念した大谷のメジャー2年目は9月11日に終了した。シーズン終了を待たずに、左膝蓋骨の手術を受けることを決断した理由は、右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)からのリハビリを終え、再び二刀流に挑む来季に万全を期すためだ。

 注目はその起用法。本紙の取材に応じたブラッド・オースマス監督は「先発かDHの起用が基本」とした上で「変わる可能性もある」と含みを持たせた。ビリー・エプラーGMも「冬に話し合う」と詳細な言及を避けている。昨季エンゼルスは週に1度投げ、登板前日、翌日を休養日に充てる日本ハム時代の起用法を踏襲したが、来季は右肘手術から復帰1年目でイニング数が限定される見込み。「先発&DH」を軸としつつ打者に重点を置く期間や、勝負どころでリリーフ起用のケースも考えられる。

 一方、指揮官は「3番・投手」など「DHを使わない起用は現時点ではない」と断言した。早期降板時の交代要員のリスクや肉体的な負担が主な理由とみられ、「救援&外野」のロレンゼンのような起用法についても「DH制のないナ・リーグだからできること」と慎重。投手として打席にも立つ「リアル二刀流」はナ・リーグ本拠地での交流戦に限定される見込みだ。

 今季は106試合に出場し打率・286、18本塁打、62打点。後半戦は不振も経験した。オースマス監督は「左膝の痛みが打撃に全く影響がなかったとは言えない」とかばい「翔平は賢い打者だから対応できた。彼は皮肉を言うのが好きで面白い。私は彼の皮肉を楽しんでいる。英語も上達しているよ」と話した。

 順調なら術後10週間の11月下旬にブルペン投球を再開し、来年2月のキャンプには間に合う見込み。二刀流での完全復活へ、指揮官は「キャンプを万全の状態で迎えてほしい」とエールで締めた。(柳原 直之)

 《“二刀流登録”を新設》大リーグでは来季から「Two―Way Player(二刀流選手)」の登録を新設。前年かその年に投手で20イニング以上、野手で20試合以上の先発出場が登録の条件となる。ベンチ入り枠も25人から26人へ拡大され、戦術の多様化が見込まれるが、一方で野手登録選手の登板機会は6点差以上か延長戦に限られる。

 《トラウト「大谷はメンタル強い」》この日の大谷はエンゼルスタジアムの屋内でリハビリや治療に励み、グラウンドには姿を見せなかった。20日に右足神経腫の除去手術を受けた主砲トラウトは今季総括会見に臨み「6週間程度で全力で動けるようになる」と笑顔で話した。今季は打率・291、104打点、自己最多の45本塁打で自身3度目のア・リーグMVP候補。大谷については「年間を通して左膝の痛みと闘っていた。メンタルが強い。脱帽だ」とねぎらった。

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