中畑氏 イチローにも見てほしかった「頭を使う面白い野球」

[ 2019年4月2日 08:30 ]

3月31日の西武戦7回2死、右越え本塁打を放った上林(撮影・中村 達也)
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 【キヨシスタイル】いきなり満開だぜ、プロ野球!!盛り上がってるねえ。3・29開幕日なんて3試合がサヨナラ決着だよ。開幕前の嫌な思いをすっかり吹き飛ばしてくれた。

 プロ野球開幕前日のセンバツで起こったサイン盗み騒動。寂しい話だけど、振り返る。敗れた星稜の監督さんが試合後、勝った習志野の控室に乗り込んで「フェアじゃないですよ」と訴えた。習志野は、二塁走者が捕手のサインを盗んで打者に伝えていたという疑惑をぶつけたんだ。

 高野連側は「サイン盗みは判断できなかった。現段階では“なかった”というのが最終結論」としたけど、少なくとも紛らわしい行為があったのは事実じゃないかな。だから騒ぎになって、野球界としてレベルの低い話題を提供してしまった。それが寂しいのよ。

 力と力、技と技、知恵と知恵をぶつけ合って勝敗を争うのが野球というスポーツの本来あるべき姿。サイン盗みなんて昔の野球が今も甲子園で横行しているのか。そう思われるだけで野球界にとっては大きな損失だ。

 イチローが引退記者会見で言ったよね。

 「2001年にアメリカに来てから、2019年の現在は全く違う別の野球になりました。頭を使わなくてもいい野球になりつつあるような」

 データ至上主義、フライボール革命に代表されるただ打つだけになった大リーグの野球に警鐘を鳴らし、こう続けたよ。

 「日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんて全くなくて、やっぱり日本の野球は頭を使う面白い野球であってほしいなと思います」

 彼の言う「頭を使う野球」は決してサインを盗む野球なんかじゃない。打者はバッテリーの配球を読み、バッテリーは打者の裏をかく。試合の状況、流れを読み作戦、用兵に知恵を絞るベンチワーク…。そんな面白さがプロ野球の開幕カードにふんだんにちりばめられていたんだ。

 なかでも昨年日本一に輝いたソフトバンクとパ・リーグ覇者・西武の3連戦は熱かった。結果的には選手層で上回るホームのソフトバンクが3連勝したけど、いずれも1点を争う接戦。イチローにも見てもらいたかったな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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