マー君「全てを出し切れた」宝刀スプリット復活でRソックス斬り凡打の山

[ 2018年10月8日 05:30 ]

ア・リーグ地区シリーズ第2戦   ヤンキース6―2レッドソックス ( 2018年10月6日    ボストン )

<レッドソックス・ヤンキース>5回1失点で勝利投手となった田中(AP)
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 頼れる「10月男」だ。ヤンキースの田中将大投手(29)が6日(日本時間7日)、レッドソックスとの地区シリーズ第2戦に先発。5回1失点で勝利投手となり、敵地でチームを1勝1敗のタイに導いた。松坂大輔(現中日)に並ぶ日本選手最多のポストシーズン通算3勝目をマーク。同防御率は1・50と、大舞台での強さを存分に発揮した。

 フェンウェイ・パークの3万9151人の大歓声を、田中がため息に変えた。5回2死。外角低めのスプリットをベッツが捉えた飛球は、中堅フェンス手前で失速した。5回を3安打1失点で終え、2点リードで救援陣にバトンを渡した。

 「とにかく一人一人、一球一球、神経を使って投げた。自分の全てを出し切れていたと思う」。レギュラーシーズン4試合で防御率7・58と打ち込まれた、チーム得点数両リーグ1位の宿敵レッドソックスに雪辱する白星。今季これまで打率・500とカモにされた1番ベッツは3打数無安打に封じた。

 鍵を握ったのは「最近の2試合と比べると全然、良かった」と自賛したスプリットの復活だ。宝刀の不調は過去2登板(9月20、26日)の合計8イニングで9失点と乱れた大きな要因でもあったが、中9日の調整期間で左足を上げてからのバランスを修正。前日に「自分の中では手応えを感じている」と予告した。手応えは使用頻度を見れば明らかだ。9月20日のレ軍戦では全投球の約30%(83球中25球)だったのが、この日は約44%(78球中34球)。15アウト中12個をスプリットで奪った。

 昨年のインディアンスとの地区シリーズでは、2連敗で迎えた第3戦で勝利投手となり、流れを変えた。「敵地で勝って1勝1敗のタイで(ニューヨークに)帰れるということは凄く大きい。最高の結果になった」。78球と余力を残して降板。第5戦にもつれ込んだ場合、現状では左腕ハップの先発とみられているが、田中が中4日で先発や救援で投入される可能性もある。

 ポストシーズン通算5試合で防御率1・50。プレッシャーをものともしない右腕は「プレーヤーとして、これ以上なく感謝するような場に立たせてもらっている。僕はそれがいい方向に出ている」と語った。期待通りにチームを勢いづけ、次のマウンドに備える。(ボストン・杉浦 大介通信員)

 ▼ヤンキース、アーロン・ブーン監督(田中について)凄くいい投球だった。流れをつくってくれた。相手打線もバットに当てていたが力強い5回だった。

 《今季の地区シリーズビジター球団初白星》今年の地区シリーズでビジター球団が勝利するのはこの日のヤンキースが8試合目で初。一方、ヤ軍は昨年のワイルドカードゲームからポストシーズンでは本拠7連勝中で、継続に期待がかかる。また、ホームとビジターが2試合―2試合―1試合と入れ替わる形式になった99年以降の地区シリーズで、1勝1敗から本拠に戻るチームは約64%(33チーム中21チーム)が突破している。

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