大谷 世界の盗塁王も絶賛「1000盗塁で殿堂入れる」

[ 2018年9月21日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス0―10アスレチックス ( 2018年9月19日    オークランド )

7回、内野安打を放った大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が19日(日本時間20日)、敵地アスレチックス戦の7回に遊撃内野安打を放ち2試合連続安打とした。ア軍の球団社長特別補佐で通算1406盗塁の世界記録を持つリッキー・ヘンダーソン氏(59=アスレチックスなど)から絶賛された快足ぶりを披露。チームが4安打零敗を喫した中で、改めて存在感を発揮した。

 大きなストライドで駆け抜けた。7回1死。大谷は左腕アンダーソンのシンカーを捉え、打球は二塁ベース付近へ転がった。あらかじめ二塁寄りに守っていた遊撃手が追いつくも悠々とセーフ。2試合連続安打となる内野安打をもぎ取った。

 データ解析システム「スタットキャスト」によれば、本塁から一塁までのスピードは、メジャー平均秒速27フィート(時速約29・6キロ)を上回る秒速29・1フィート(時速約31・9キロ)をマーク。優秀とされる秒速29フィート以上(時速約31・8キロ)は節目の今季30度目だった。大差がついていたため、ここで代走を送られ退いた。

 その快足に、絶賛の声が飛んでいた。「素晴らしい走塁能力を持っている。積極的に走れている」。試合前練習から視察した世界の盗塁王、アスレチックスのヘンダーソン球団社長特別補佐だ。

 通算1406盗塁、シーズン130盗塁というとんでもない世界記録を持つ「マン・オブ・スチール」。投手を兼ねながら今季9盗塁を決めてきた大谷が、将来その数を伸ばしていくために必要なことを「最も重要な技術はスタート。投手を学び、良いスタートを切る」と語った。そして、続けた言葉は「1000盗塁、それ以上すれば野球殿堂に入れるよ」。いたずらっぽく笑いながらも、一塁への駆け抜けでエリートレベルの秒速30フィート(時速約32・9キロ)以上を2度記録した大谷のスピードに、限りない可能性を見ていた。

 大谷とヘンダーソン氏はグラウンド上で出会うことはなく、交流はかなわなかった。この日は取材対応しなかった大谷。だが、大量リードを許しても全力疾走を怠らない姿は「彼の才能からすればもっとうまくなる」と期待するマイク・ソーシア監督のハートをつかみ、ア軍が誇るスーパーレジェンドの心にも届いた。(柳原 直之)

 ○…大谷は今季9盗塁だが、同一シーズンで(1)10試合登板(2)20本塁打(3)8盗塁以上を同時に達成したのはメジャー史上初めてとなっている。右肘じん帯を損傷し、7月3日に復帰後はほぼ野手に専念。その間の60試合で8盗塁しており、仮に162試合換算ならシーズン22盗塁の計算になる。なお日本ハム時代は16年の7盗塁がシーズン最多で、5年通算で13盗塁だった。

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