誠也 初の30発「いいポイントでしっかり捉えることができた」

[ 2018年9月21日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4―5阪神 ( 2018年9月20日    マツダ )

5回2死二塁、左越えに2点本塁打を放ち、ナインとハイタッチをかわす鈴木(撮影・北條 貴史)
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 広島・鈴木誠也外野手(24)が20日の阪神戦(マツダ)で自己初となる30号本塁打を放った。5回2死二塁から左翼席上段に運び自己最多だった16年の29本を抜いた。今季、チームの30本塁打以上は丸に続く2人目。球団で同一シーズンに複数人が30号に到達するのは2005年の前田と新井が記録して以来、13年ぶりとなった。

 あまりに酷な状況の中で、自身初となる大台に到達した。強い雨が降り続き69分遅れの試合開始で3回表前には62分間の中断――。それでも、鈴木の集中力が切れることはなかった。

 4点劣勢の5回、1点を返し、なおも2死二塁。1ボール1ストライクから、阪神先発・才木の外角直球を捉えた一撃は、大きな放物線を描いて左翼席上段に着弾した。プロ6年目で自己最多となる30号2ラン。降雨コールドゲームがちらつく中で、1点差に迫る一発が飛び出した。

 「打ったのはストレート。いいポイントでしっかり捉えることができました。点につながってよかったです」

 ともに30発を放ち、リーグ3連覇を目前に控えるチームをけん引する丸と鈴木の3、4番コンビ。打撃練習では常に同組で、強烈な打球を打ち合う。8月は月間打率・414、12本塁打、29打点と絶好調だった反動なのか、9月は試合前まで同・245、3本塁打、8打点と低調。本塁打はリーグトップと打ちまくる丸の後に控える鈴木の心は静かに触発されていた。「4番の仕事をしているのは、丸さんのような気がして…。でも、それに負けないようにと思っている」。この日も、丸が右中間へ適時二塁打でチーム初得点を奪った直後のアーチだった。

 チームは優勝マジックを「4」として臨んだマツダスタジアムでの9連戦初戦だった。27年ぶりの本拠地胴上げを下降線のまま迎えるわけにはいかない。降りしきる雨の中に、明るい光は確かに見えた。(河合 洋介)

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2018年9月21日のニュース