阪神 陽川がV打「天候も天候だったので」

[ 2018年9月21日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―4広島 ( 2018年9月20日    マツダ )

初回2死一、二塁、先制の左前適時打を放ち、久慈コーチ(左)とハイタッチをかわす陽川(撮影・北條 貴史)
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 阪神・陽川尚将内野手(27)が、20日の広島戦の初回1死一、二塁で決勝点となる先制の左前適時打を放った。降雨で午後6時の試合開始が1時間9分遅れただけでなく、試合中も2度にわたり計1時間13分の中断。いつコールドゲームとなってもおかしくない展開で、若虎が貴重な一打を放った。チームの連敗ストップに貢献。3位・巨人に1ゲーム差に迫った。

 若き大砲は極限まで集中力を高めていた。初回2死一、二塁。降雨により試合開始が遅れ、午後7時を過ぎてようやく巡ってきた第1打席で快音を残した。

 「天候も天候だったので。チャンスで、結果が出たのは良かった。何とか初回に点を取って、良い流れでいけたのは良かった」

 追い込まれながら、ジョンソンのチェンジアップに食らいつき、三遊間を抜く左前適時打で先制点を叩き出した。通常より1時間以上遅いプレーボールに「難しい部分もあった」と振り返っても、打席には「しっかり集中して入りました」と平常心を保ってフルスイング。何が起こってもおかしくない雨中の激闘の中で、存在感を示して見せた。

 セ・リーグは20日、「今後の公式戦日程・順位決定・クライマックスシリーズ(CS)に関する件」と記した文書を報道各社に配布した。今後の天候次第では同13日のCS開幕までに日程を消化できない可能性もある状況を受け、セのアグリーメント(申し合わせ事項)通り、CS出場球団は同開幕予定日の2日前の11日終了時点の順位を持って確定するとした。

 セの杵渕和秀統括は「結果として5位チームの日本シリーズ進出もある」と懸念。3位争いがもつれている現状では、CS進出チームと、最終順位の3位までが食い違うことも起こり得る。セは順位に関わるカードについては、98年を最後に実施されていないダブルヘッダーの開催も球団側に要請する方針で、阪神にとっては93年10月10日広島戦以来となる開催も現実味を帯びてきた。

 超過密日程のリスクを減らすためにも、試合を強行する必要があった。水が浮き、序盤からグラウンド状態は悪く、いつコールドゲームとなってもおかしくない状況で、初回に叩き出した先制打は単なる1打点の価値に止まらない。5回にも2死一塁から左翼越えの適時三塁打を放つなど、2打点で「雨中のヒーロー」となった。

 試合終了は日付が変わった21日の午前0時3分。金本監督は「久々の午前様ですな(笑い)。(価値ある勝利に)何よりですね。本当に」とうなずいた。

 「この1勝の流れに乗って、明日、明後日と勝てるように頑張りたい。一戦、一戦、チームに貢献できるように」。殊勲の背番号55は、疲労を感じさせない力強い口調で、次なる打席での快音を約束した。(遠藤 礼)

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2018年9月21日のニュース