早大次期監督の小宮山氏 恩師の“遺言”守りプロ指導者断って母校へ

[ 2018年9月7日 05:30 ]

次期監督就任会見で報道陣の質問に答える小宮山氏 (撮影・白鳥 佳樹)
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 ロッテや大リーグのメッツなどで投手として活躍し、早大野球部監督に来年1月1日付で就任するOBの小宮山悟氏(52)が6日、東京都新宿区にある同大の大隈会館で就任会見を行った。早稲田カラーのエンジのネクタイを締め「早稲田の第20代監督を拝命しました。監督を引き受けたのは野球部への恩返ししかありません。身の引き締まる思い」と語った。契約は1年ごとの更新で、4年の任期を予定している。

 亡き恩師との「約束」を果たした。小宮山氏は2浪して憧れの早大に進学し、名将・石井連蔵監督から影響を受けた。09年の現役引退時に同氏に報告した際「早稲田に戻ってこい」と言われたことを明かし「その言葉が心に刺さった。早稲田のユニホームを着ることが一番重たいものになった」と言う。11年から14年まで早大野球部のコーチを務めた。石井氏は15年に死去したが、小宮山氏はプロ球団からの指導者の誘いも断り、恩師の「遺言」を忠実に守ってきた。ついに念願がかない「奇跡に近い。青天のへきれき」と感無量。今月27日が命日の石井氏の墓参りをし、監督就任を報告する。

 プロでは通算117勝をマーク。抜群の制球力から「投げる精密機械」と呼ばれ、理論派として知られる。大リーグを経験した選手が東京六大学の監督を務めるのは初めて。リーグ戦通算45度の優勝を誇る早大は低迷しており、名門再建への期待は大きい。小宮山氏が最も大事にするのは初代監督の飛田穂洲氏から石井氏ら歴代監督に受け継がれる「一球入魂」の精神。「石井さんに教えていただいたことを受け継いでいきたい」と誓った。 (飯塚 荒太)

 ◆小宮山 悟(こみやま・さとる)1965年(昭40)9月15日生まれ、千葉県出身の52歳。芝浦工大柏から2浪して早大に入学し、六大学リーグ通算20勝。89年ドラフト1位でロッテ入団。99年オフに戦力外となり横浜(現DeNA)移籍。02年にFAでメッツ入団。03年は所属球団がなく、同年12月にロッテに復帰し、06年に現役を続けながら早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学し、08年に修士号を取得。09年に引退。日本での通算成績は455試合で117勝141敗4セーブ、防御率3.71。

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