大谷争奪戦早くも火ぶた 30球団幹部続々視察…カブスは5人態勢

[ 2016年2月12日 06:00 ]

<韓国ロッテ・日本ハム>ネット裏で熱視線を送った(右から)カブスのエプスタイン編成本部長、一人おいてホイヤーGM

練習試合 日本ハム1―1韓国ロッテ

(2月10日 ピオリア)
 「大谷争奪戦」の火ぶたが早くも切られた。約70人のスカウト陣の中には「大物幹部」の姿もあった。帽子を深くかぶり、ネット裏近くに陣取ったのは、カブスの編成部門トップに立つセオ・エプスタイン編成本部長。先にいたジェド・ホイヤーGMの隣に座り、スカウティングリポートをめくりながら、投球を熱心にチェックした。

 「キャンプが近づいているから、(キャンプ地の)メサに入っていたが、大谷が投げると聞いて、見に来た。わざわざ日本に行かなくても見られてよかった」。約1時間のドライブで駆け付けた同本部長は、具体的な評価に関しては言及しなかったが、大谷目当てであることは認めた。

 エプスタイン氏といえば、レッドソックスのGM時代、入札額を含めて約1億ドル(当時約118億円)の大金を投じて松坂(現ソフトバンク)を獲得したメジャーきってのらつ腕だ。11年10月にカブスから5年総額1850万ドル(約20億5400万円)のオファーで引き抜かれ、編成本部長に就任した。欲しい選手は自分で見ないと気がすまないタイプで、日本選手は甲子園のビデオまで見ているという。カブスは今回5人態勢で視察。同本部長は、大谷の置かれた状況も把握しており「17年のWBCもあるからね」と、今後も密着マークを続ける考えを明かした。

 キャンプ地を日本ハムに提供しているパドレスのAJ・プレラーGMのほか、レンジャーズはジョン・ダニエルズGMがテキサスから、ブルワーズは昨季までGMを務めたダグ・メルビン・シニアアドバイザーもミルウォーキーからわざわざ駆け付けた。この時期に編成部門のトップが1人の選手のために集結するのは異例で、大谷の注目度の高さが分かる。(奥田秀樹通信員)

 ▼パドレスローガン・ホワイトGM付シニアアドバイザー 大谷の投球は去年も見てきた。今言えることは、このキャンプ地に日本ハムを迎え入れられてうれしいということだけだ。

 ▼レンジャーズジョン・ダニエルズGM 今は何も話せない。

 ▼ジャイアンツジョン・コックス環太平洋スカウト 投球に安定感があり、ストライクを投げられる。それでいて97マイル(約156キロ)。打撃も実戦で力を発揮するタイプに見える。今年も日本での調査を続けていく。

 ▼ブルワーズダグ・メルビン・シニアアドバイザー 誰が見ても才能がずばぬけている。スカウトがたくさんいても驚かない。みんなが興味を持っている。

 ▼フィリーズジョン・マクラーレン・捕手コーチ(元マリナーズ監督。スカウトとともに視察)私はダルビッシュの初登板も見たけど、ダルビッシュよりたくさん真っすぐを投げる。頭のいい投手だね。

 ▼ロイヤルズルイス・メディーナGM補佐 何度見てもほれぼれする。良いピッチャーだ。

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2016年2月12日のニュース