陽川、新フォームで紅白戦1号「体が反応してくれた」

[ 2016年2月12日 05:30 ]

<阪神紅白戦>2回2死、陽川は左越えにソロ本塁打を放つ

阪神紅白戦 紅組4―1白組

(2月11日 宜野座)
 痛烈なライナーが左翼後方を襲った。2回2死からの第1打席。カウント1ボール2ストライクからの4球目だ。先発の岩貞が投じた内角への速球に阪神・陽川の体が自然と反応。完璧にとらえた大飛球は逆風を切り裂いてスタンドに突き刺さった。

 「追い込まれていたんで。逃げる球も意識していた。(内角球には)体が反応してくれたと思う。これからも実戦はあるので、結果にこだわってというか。練習から集中力を持ってやりたい」

 今キャンプ最初の紅白戦。初打席で出た初本塁打に確かな手応えを強調した。第2クールから打撃フォームの微調整に着手したばかり。「今は手の動かし方を意識している」。上半身でタイミングを取る新フォームで放った紅白戦1号は金本監督にも認められた。

 「まだまだ発展途上すぎるんだけどね。あれ、追い込まれてからだったよね。そういう場面で、あのストレートに振りまけなかった。だいぶんテークバック(の取り方)は様になってきた」

 予感はあった。紅白戦を控えた午前中、ミズノ社が開発したバットスイングの解析システム「スイングトレーサー」で各選手がスイングスピードを測定。ゴメスら強打者選手を押しのけ、チーム最速の167キロをたたき出した。同機器で日本ハム・中田は166・9キロ、ソフトバンク・柳田は157・7キロ。球界を代表する長距離砲を上回るスイング力だった。

 昨春キャンプも1軍参加しながら、先発出場した2月13日の練習試合・韓国サムスン戦(宜野座)で守備の際に左肩を亜脱臼。期待されながら無念の離脱を強いられた。今春は違う。悪夢の2・13を目前に強烈なアピール弾を放った。

 2、3打席目はいずれも併殺打。「もう1本出さないといけなかった」。グッと唇をかんでも首脳陣に強い印象を残した一発だ。序盤は影を潜めていた大砲候補が第3クール初日に浮上のきっかけをつかんだ。(山本 浩之)

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2016年2月12日のニュース