掛布2軍監督“初陣”白星 サイン出さず「選手が自分でやってる」

[ 2016年2月12日 09:13 ]

初陣を勝利で飾り、笑顔でナインを迎える掛布2軍監督

練習試合 阪神2軍6―0韓国ハンファ

(2月11日 安芸)
 今春最多の2800人を集めた安芸市営球場で阪神・掛布雅之2軍監督(60)が初陣を白星で飾った。11日に韓国ハンファとの練習試合で初采配。6―0で快勝した記念の一戦には掛布イズムが詰まっていた。

 「選手一人一人が自分でやってるという感じ。気持ちの強さあたりが変わっていると思う」

 ベンチからサインは出さなかった。試合途中で三塁コーチとの間で交わしたサインを模した動きは本番へ向けたシミュレーションで選手へ向けたものではない。とことん選手を主役に置いた。

 2軍ながら野手組キャプテンに任じた坂は4回に三遊間への痛烈ライナーを好捕すれば、5回にも難しいゴロを処理するなど好守を連発。「キャプテンとかのキャラじゃない感じだけど、彼自身、変わらないといけないから」。もう若手ではない中堅組。一定の実績を誇りながら2軍でくすぶる30歳のハートを主将指名でくすぐった。

 打撃では全員に「強くバットを振ること」を実戦の中でも求めた。呼応したのはドラフト6位の板山だ。4打数3安打1打点の大暴れ。「すごく内容の濃い打撃。1軍から『板山の状態はどう』と聞かれたら、推薦するに値する結果を残している」。昨秋の最下位指名の選手を昇格の最上位候補に据えた。昨秋の右手有鉤(ゆうこう)骨骨折で実戦を控えるドラフト1位・高山は真横に座らせ、試合中の随所で野球観を語って聞かせた。

 試合後はいつものように笑った。「きょうは投打両コーチもうれしいはず。今岡コーチには5点以下だったら罰走だと言ってたからね」。毎朝4時半に起床してサインを書き込む“掛布カード”を詰めかけたファンに配布。大満足の初陣だった。(久林 幸平)

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2016年2月12日のニュース