大谷は5億ドルの男!圧巻“米デビュー”にメジャー破格の見積もり

[ 2016年2月12日 05:30 ]

<韓国ロッテ・日本ハム>練習試合に先発し、4連続三振を奪うなど衝撃の“米デビュー”を飾った大谷

練習試合 日本ハム1―1韓国ロッテ

(2月10日 ピオリア)
 圧巻の米国デビューだ!日本ハムの大谷翔平投手(21)が10日(日本時間11日)、韓国・ロッテとの練習試合で実戦初登板。メジャー全30球団、約70人のスカウトらが見守る中、最速157キロの直球を軸に4者連続三振を奪うなど2回を1安打無失点に抑えた。代理人関係者は、大谷が近い将来にメジャーに移籍した場合、「総額5億ドル(約555億円)の価値」があると予想。ベースボールの本場で強烈なインパクトを残した。

 胸の鼓動は自然と高まった。大谷が夢に見た米国での初登板。「最初なのでやっぱり緊張しました」。その言葉がうそのように涼しい顔でマウンドにたたずんだ。アリゾナの青空の下、球場中の視線を一身に集め、マウンドで躍動した。

 「真っすぐを強く投げるのがメーンだった。100%真っすぐを待たれる中でファウルも空振りも取れた。初めてのマウンドにしてはまずまず」

 初回2死。右前打を浴びてから、一気にギアを上げた。韓国・ロッテの4番打者に対し直球、フォークで追い込むと最後は154キロ直球で空振り三振。2回も 直球で5、6番を連続三振に斬って取ると、7番打者はフルカウントから外角の直球で空振り三振に仕留めた。球団のスピードガンでは153キロだったが、テレビ表示ではこの日最速の157キロを計測した。2回無失点、圧巻の4者連続三振で悠然とマウンドを降りた。

 最速162キロを誇る二刀流の怪物。ネット裏にはメジャー全30球団、約70人のスカウト陣が詰め掛け、ビデオ撮影やスピードガンで球速を測り、一球一球、克明にメモを取った。野手として出場した8日の同戦の13球団20人強を上回る「大谷品評会」。その中に交じって目を光らせた、ある代理人関係者は早くも大谷の価値を見積もった。

 「彼は別格だ。大リーグに来る時の契約はおそらく2億ドル(約222億円)前後。仮に早く来れば、29歳くらいでFA(通常は取得に6年)になる可能性があり、そうなれば次の契約は3億ドル(約333億円)相当。足せば、5億ドルの価値があるプレーヤー」

 過去、メジャーで総額2億ドル以上の契約を結んだ選手は12人だけで、このうち投手は4人しかいない。さらに3億ドルとなれば、このオフ、史上最高額の3億2500万ドル(約361億円)で13年契約を結んだマーリンズの主砲スタントンだけ。米メディアの間では「球団はいつポスティング制度での移籍を認めるのか」と話題になっている。大谷が大リーグ挑戦をすぐに希望する可能性は低いとはいえ、既に「超一流」の値がついた。

 アリゾナでの登板はこの試合だけだが、インパクトを残すには十分な25球。過熱するフィーバーには「外国人なので誰が誰だか分からない。投げている時はミットしか見ていないので」と笑った大谷だが、大本命の「3・25開幕」に向け、米国の地で幸先のいいスタートを切ったのは確かだ。(柳原 直之)

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