巨人・阿部「全てが決まる」 逆転Vへ“崖っ縁”甲子園3連戦

[ 2015年9月8日 05:30 ]

打撃練習で汗を流す阿部

 リーグ4連覇を目指す巨人の阿部慎之助内野手(36)が、運命を分ける「伝統の一戦」に向けて、決意を新たにした。8日から2ゲーム差で追う首位・阪神との3連戦(甲子園)で勝ち越すことができなければ、自力優勝の可能性が消滅する。川崎市のジャイアンツ球場で行われた全体練習で汗を流したチームの精神的支柱は、崖っ縁からの逆転優勝を誓った。

 やるべきことは、ただ一つ。阿部は練習後の駐車場で、一言一言をかみしめるように話した。

 「勝ち越すか、負け越すかで全てが決まってくる。それぐらい大事。みんな分かっている。何とか勝てるように」。首位・阪神との敵地3連戦。百戦錬磨のベテランは、シーズンの行く末を決定付ける3日間と位置付け、自らにプレッシャーをかけた。ジャイアンツ球場の室内練習場で行われた全体練習ではティー打撃、フリー打撃などでじっくりと振り込んだ。

 阿部は、阪神戦の今季対戦打率が・395と、球団別で最高。しかも今回の先発が予想される3人には、いずれも相性が抜群だ。岩田には今季の対戦で10打数4安打、1本塁打、3打点。藤浪にも10打数4安打で、メッセンジャーには8打数4安打、2打点をマークしている。チームもここまで13勝7敗と圧倒。「(対戦成績は)その時の状況もあるだろうし。冷静に考えればいいなと思う」と特別に意識せずに臨む構えだが、頼りになる存在なのは間違いない。

 前回、自力優勝が消滅する危機で迎えたのが8月18~20日の阪神3連戦(東京ドーム)。今回同様、カード勝ち越しが最低条件だった状況で3連勝を果たした。阿部の「全てが決まってくる」という言葉の裏にあるのは、正念場で重圧をはねのけてきた自負。3連勝すれば現在2ゲーム差の阪神との順位は逆転する。

 阪神、ヤクルトとの上位争いに加え、4位の広島もCS進出を十分、射程圏に捉える大混戦だ。川相ヘッドコーチは抜け出すために「こういう状況だと気持ちの問題。強い気持ちが一番大事。技術は持っている連中ばかりなので、それを発揮してほしい」とメンタル面の充実を求めた。

 チームは練習後、各自で大阪へ移動。坂本主将も阿部同様、気持ちを奮い立たせた。「一つ一つ(勝つ)、というのは当たり前ですけど、まずはあした、死に物狂いで戦う」。しびれる3連戦を制した先に、リーグ4連覇が見えてくる。 (大林 幹雄)

 ▽巨人の先月の阪神戦3連勝 18日はマイコラスが1安打1失点(自責0)で完投し8―1で快勝。19日は5回にチーム43年ぶり、史上2位タイの1イニング12得点をマークするなど打線が爆発し、12―3で大勝。20日は菅野と藤浪による息詰まる投手戦となったが、9回に坂本が呉昇桓(オ・スンファン)からサヨナラ打を放ち、2―1で勝利。

 ≪9日にも自力V消滅の可能性≫巨人は、阪神3連戦に2勝以上、もしくは1勝2分けと勝ち越せば自力優勝の可能性が消滅しない。ただし、早ければ9日にも自力優勝消滅の可能性がある。それは、8日、9日の2試合に連敗するか、1敗1分けの場合。

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2015年9月8日のニュース