【山田3冠王は?】杉村打撃コーチ 「50%」最大の難敵は川端

[ 2015年9月8日 09:30 ]

春季キャンプで山田(手前)の打撃練習を見つめる杉村コーチ

 ヤクルト・山田哲人内野手(23)が、史上9人目のトリプルスリーをほぼ手中に収めた。次のターゲットとなるのは04年のダイエー(現ソフトバンク)・松中信彦以来となる3冠王。過去に2つの偉業を同時達成した選手はいない。現在、本塁打はトップで、打率と打点は2位につける。タイトルを争っているのは、ともに同僚で打点トップの畠山と打率トップの川端の2人。3冠王の可能性を杉村チーフ打撃コーチの見方から探った。 (特別取材班)

 山田が3冠王を獲る可能性は「50%」と見ている。本塁打王は確実。打点は本塁打が出ればすぐに抜けるくらいの差なので可能性はある。一番難しいのが打率になってくる。山田は固め打ちができる打者だが、それは川端も同じだ。

 打撃コーチとしては、チャンスなのでぜひ3冠王を獲ってほしい。ただライバルが同じチームにいる。3人が2、3、4番に並び、チーム優先で戦う中で「自分も打たないと」という相乗効果は生まれている。川端、畠山もキャンプから一生懸命やってきた。ぜいたくな悩みだが、本音を言えばタイトルを分け合うのが一番いいと思っている。うれしい悲鳴だね。

 山田はとんでもない23歳だと思う。昨年もそうだが、歴史を変えたり奇跡を起こすということを弱冠23歳で、しかもあんなに細い体でやってのける。昔から野球は体がデカい方が勝ちというのを目の当たりにしてきたが、山田を見ていると時代は変わってきたのかなと感じる。スピードもあるのが、これまでの3冠王の選手と違うところ。野球界を変える異色の選手が現れた。3冠王とトリプルスリーなんてことになれば、球界の常識をひっくり返すことになる。

 ただたとえ3冠王が獲れなかったとしても、歴史的な記録を一緒に目指している。コーチ冥利(みょうり)に尽きるし、山田には感謝しないといけないね。

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2015年9月8日のニュース