【山田3冠王は?】山本浩二氏 3割3分台の争いなら

[ 2015年9月8日 09:40 ]

ヤクルトの山田

 ヤクルト・山田哲人内野手(23)が、史上9人目のトリプルスリーをほぼ手中に収めた。次のターゲットとなるのは04年のダイエー(現ソフトバンク)・松中信彦以来となる3冠王。過去に2つの偉業を同時達成した選手はいない。現在、本塁打はトップで、打率と打点は2位につける。タイトルを争っているのは、ともに同僚で打点トップの畠山と打率トップの川端の2人。3冠王の可能性を山本浩二氏の見方から探った。(特別取材班)

 歴代4位の通算536本塁打を記録した元広島の山本浩二氏は、80、81年に本塁打と打点の2冠を獲得したが、打率だけはタイトル奪取とならなかった。それだけに山田の3冠王獲得は、打率が鍵と見ている。

 「私の時は2年とも首位打者とは大きな開きがあったし、やっぱり長距離打者は打率のハードルが高い。3割4、5分のハイレベルな争いになると厳しい。山田が3冠王を獲るなら、3割3分台の争いが望ましい」

 優勝争いでマークは厳しくなる。山田も勝負どころでの一本の集中力は自然と増す。それだけに、打率を少しでも上げる「固め打ち」は勝敗が決した後の打席が重要と説く。

 「大事なのは試合の最終打席。勝敗の行方が見えた後の打席は集中力を欠くケースが多い。見方を変えれば、大差の展開で投げる相手投手の質は落ちるし、必ず勝負もしてくれる。甘い球を逃さずに稼げるかだ」

 山本氏は昨年夏に山田のスイングを見て衝撃を覚えたという。

 「どんな球種に対しても打つポイントが一定している。内外角、高低にも、ヘッドが必ず立って出るから、球威に負けることはない。左足のステップ、捉えるまでのバットの出し方も一定。教えられてできるものではないし、現役の右打者でこれができるのはソフトバンクの内川くらい」

 セ・リーグで右打者の3冠王は過去にいない。

 「セでこれだけのスケール感を持った選手は久々だろう。右打ちの少年にも夢を与える選手であり続けてほしい」

 セの右打者では最多本塁打を記録している山本氏は、若きスラッガーの歩みに注目している。

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2015年9月8日のニュース