久保省エネ101球完投 ボール球わずか26球

[ 2015年5月5日 05:30 ]

<D・ヤ>完投勝利の久保は中畑監督(左)の出迎えを受ける

セ・リーグ DeNA6-1ヤクルト

(5月4日 横浜)
 投手なら誰もが夢見る完全試合。だがDeNA久保は違った。6回まで完全投球。球場は緊張感に包まれたが、大記録に執着はない。7回無死。嶺井が外角に要求した初球のカットボールが球1個分中に入り、山田に右越えソロを浴びたが落胆はなかった。「野球で運を使いたくない。人生で運を使いたいので」。お立ち台で個人記録にこだわりがない哲学を強調した。

 頭脳をフル回転し、同じ失敗を繰り返さないのがエースたるゆえんだ。4月3日のヤクルト戦(横浜)で畠山に満塁弾を浴びて5回7失点KO。「ヤクルトは早打ちでどんどんきた」という傾向をつかみ、対策として、早いカウントでも決め球のようにストライクゾーンの四隅に球を集めた。「ボール球を投げる必要もないし、どんどん試合を進めようと思った」。101球中、ボール球はわずか26球。直球は9回に最速149キロを計測し、剛と柔を兼ね備えた快投で、散発2安打の今季初完投勝利を飾った。

 久保は究極の投球を、「(打者27人に)27球で試合を終わらせること」と即答する。力でねじ伏せるのでなく、打者の打ち気を利用して初球で仕留める。この日は9回に25球を費やしたが、8回まで打者25人に計76球。1人平均3球の省エネ投法は理想に近かった。

 開幕から4試合白星がなかったが、サイン交換が早い嶺井とバッテリーを組んでから、テンポのいい投球で前回の28日の広島戦(マツダ)に続き連勝。中畑監督も「2試合続けて彼らしい投球。みんなに元気を与える。エースの投球だね」と満足そうだ。貯金を今季最多タイの4に増やし、5日は41歳右腕・三浦が今季初登板する。敗れた首位・巨人とは0・5ゲーム差。再浮上が見えた。

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2015年5月5日のニュース