おかわり“全快”V打 休み明け初日満塁で目覚めた

[ 2015年5月5日 05:30 ]

<西・オ>オリックスに勝利し、ファンとタッチを交わす中村

パ・リーグ 西武10-6オリックス

(5月4日 西武D)
 「休み明け」の4番が決めた。最大4点のリードを追いつかれた直後。8回2死満塁だ。西武・中村は走者一掃の右中間二塁打を放つと、自陣ベンチに向かって右手を突き上げた。

 「なんとか還したいと思った。大振りせずにコンパクトに打ち返そうと。甘い球が絶対に来ると思った」

 決勝打でチームは4連勝も、自身は疲労で3日の楽天戦(コボスタ宮城)を休養していた。代役4番・メヒアの本塁打などで勝利するのをベンチから見届けた。それでも代打で出場できるよう自ら進んでベンチ裏で素振りをするなど、準備は怠らず、気持ちも切らしていなかった。そしてこの日、首脳陣から状態を聞かれると「やっぱり見ているよりも、出たいですね」と出場を志願した。

 試合前の時点で前日まで3連投していたセットアッパー・増田、守護神・高橋朋の休養が決まっていた。7回途中から登板した岡本篤が8回もマウンドに上がるのを見て、その方針に気付いたという中村は「(2人の休養を)知らなかったんです。そこで気付きました」と笑った。そして、その裏の攻撃。おいしい場面で決勝打を放った。

 それまで2三振など3打数無安打だっただけに、逆方向への一打を田辺監督は「最後は一発狙いじゃなく、コースに逆らわずにうまく打ってくれた。4番の仕事。それに尽きる」と称えた。

 これで貯金は今季最多の6。ナイターで日本ハムが敗れて0・5ゲーム差となり、きょうにも4月3日以来の首位に返り咲く。試合後、5万円相当のヒーロー賞ののし袋を受け取ると「100万円入ってるんですよね」と笑い、中村は上機嫌でロッカールームに引き揚げた。

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2015年5月5日のニュース