おかわり 元同僚涌井から逆転弾「適当に」最小パワーで飛ばした

[ 2015年4月12日 05:30 ]

<西・ロ>お立ち台で台湾獅子舞に祝福される牧田(左)と中村

パ・リーグ 西武2―1ロッテ

(4月11日 西武D)
 1点を追う6回1死一塁。力感のないスイングから放たれた西武・中村の打球は、美しい弧を描く“らしい”弾道で左中間席に飛び込んだ。

 「感触は“打った瞬間”。あれで行かなかったら野球辞めます、って感じですかね。(失投を)一発で仕留めることができた」

 逆転の3号2ランは今季本拠地初アーチとなると同時に、4試合15打席ぶりの安打。1ボールから涌井が投じた高めに浮いたスライダーを逃さなかった。相手エースを粉砕する4番の仕事。チームはわずか3安打で連敗を止めた。

 「適当にやります」――。誤解を招きそうな中村の口癖だが、実は「最小限の力で最大限の距離を出す」という意味から来る言葉だ。バットに長い時間、ボールを接地させて、押し込んで運ぶというのが独自の打撃理論。バットの素材もヤクルト・バレンティンらが好む高反発のメープルではなく、アオダモにこだわり続けるのも、その感覚を大事にしたいからだ。かつて「パワーではなく技術で本塁打を打っていると思っている」と話した中村。軽く振ったバットのしなりでヘッドを走らせる。この日も「自分の中で軽いスイングができた」と評した。

 2日の楽天戦(コボスタ宮城)で1、2号と連発した後の5試合で19打数1安打。ここ数日間は練習でのティー打撃は、トスされた球ではなくスタンドに置いた球を打つ“置きティー”に変えた。打球が上がるポイントを再確認するための微調整だった。

 自身5度目の本塁打王となった昨季は34本塁打。今季はここまで11試合で3本でシーズン39発ペース。「少ないですね。これから積み重ねていきたい」。眼光に力強さが戻った主砲。そして、最後に再び言った。「まあ、適当にやります」。

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