伝統の一戦史上最長7時間5分、延長19回…田沢1回0封も「覚えてない」

[ 2015年4月12日 05:30 ]

<ヤンキース・レッドソックス>延長19回まで続いた試合にほおづえをつき苦笑いの田中

ア・リーグ レッドソックス6―5ヤンキース

(4月10日 ニューヨーク)
 ヤンキースとレッドソックスの今季初の伝統の一戦が10日(日本時間11日)、ニューヨークで行われ、レ軍が延長19回の末、6―5で勝利した。田沢純一投手(28)は8回に救援し1イニングを1安打無失点だった。両軍合わせて17人の投手を投入。照明の故障による16分の中断を含めると、7時間5分(試合時間は6時間49分)に及ぶ死闘だった。同カードの最大延長は1967年の20回(6時間9分)。19回は2番目の長さだが、試合時間は最長記録となった。
【試合結果】

 真夜中のコントラストは際立っていた。試合終了は午前2時13分。レ軍の田沢は勝利のハイタッチに笑顔で加わり、ベンチで見守ったヤ軍の田中は硬い表情で引き揚げた。伝統の一戦で史上2番目に長い延長19回を戦い、6時間49分は最長記録となった。照明の故障による16分間の中断も含めれば7時間5分だった。

 「長かった。勝てて良かった。(登板は)結構、前の話なので覚えていないというか…」。1点リードの8回に救援した田沢は苦笑いした。ロドリゲスから空振り三振を奪うなど1イニングを1安打無失点。「ゼロに抑えられて役割は果たせた」。その時点では思いも寄らない展開になった。

 ヤ軍は1点を追う9回、ヘドリーが起死回生の同点ソロを放ち、延長戦に持ち込んだ。16回にレ軍の主砲オルティスが勝ち越しソロを放ったがヤ軍もテシェイラが同点ソロ。日付が替わって35歳の誕生日を自らのバットで祝った。3度追いついたヤ軍。レ軍は守護神・上原の故障による不在が響いた形だが、19回にベッツの中犠飛でけりをつけた。

 両軍合わせて42人が出場し、投手は17人がつぎ込まれた。ヤ軍で最後に投げたロジャーズは前日に35球を投げ、この日は15回途中から計81球。20回に入れば、指名打者で途中出場したジョーンズを投げさせるつもりだったジョー・ジラルディ監督は「1試合だけど、6試合くらいに感じた」と肩を落とし、レ軍のジョン・ファレル監督は「最後にいい結果になってよかった」と喜んだ。

 両軍いずれも球団創設115年目の長い歴史を持つが、6時間49分はヤ軍が球団史上2番目で本拠地では最長。レ軍は球団史上最長となった。レ軍の主砲オルティスは試合前に「ライバル関係はまだ続く」と言ったが、その言葉通りの死闘だった。レ軍は地区首位を守り、ヤ軍は最下位のまま。明暗は分かれた。

 ≪停電で16分中断≫歴史的ロングゲームは一時中断にも見舞われた。延長12回、ヤ軍の攻撃中に停電で照明の一部が消灯。16分間、試合が中断された。観客がこぞってスマートフォンのライトをつけて再開を促すシーンも。また、試合中に内野3階席から断続的に1ドル札が10数枚ひらひらと舞い落ちる場面もあった。

 【67年8月29日の延長20回VTR】ダブルヘッダーの第2試合。ヤ軍が1点を追う7回に同点に追いつき、延長戦に突入した。11回に両軍1点ずつ取り合ったが、その後は互いに8イニング連続でゼロ行進。迎えた20回にヤ軍の1番クラークが1死一、二塁から右前へサヨナラ打を放ち、6時間9分の死闘に決着をつけた。

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