ソフトB「鹿児島男」奮闘!37イニングぶり得点で1週間ぶり勝利

[ 2015年4月12日 05:30 ]

<ソ・日>ファンの声援に手を振り答える(左から)中村晃、内川、松田

パ・リーグ ソフトバンク4―2日本ハム

(4月11日 鹿児島)
 やっと点が取れた。そして1週間ぶりに勝った。ソフトバンクは11日、7連勝中の首位・日本ハムと鹿児島で対戦。0―1の4回に中村晃外野手(25)の適時打で37イニングぶりの得点を挙げると、同点の7回には内川聖一外野手(32)の適時打などで3点を奪い勝ち越した。ソフトバンクに移籍以来、鹿児島を大得意にする主将の活躍もあり、ついに打線が「ゼロの呪縛」から解き放たれた。

 まるで三塁側スタンド後方に望む桜島のように、たまっていたマグマが一気に噴出した。同点の7回無死一、二塁。柳田の一ゴロを、日本ハム・中田がトンネルして勝ち越し点が転がり込むと、もう止まらない。なお、無死一、三塁から「鹿児島男」を自認する内川が右前適時打を放ち、これまでのうっぷんを晴らした。

 「晃(中村)が最初の1点を取ってくれたことで、チームに勇気を与えてくれた。僕は鹿児島は絶対打つ。桜島ときのう(10日)の夜、いただいた黒豚のパワーですね」

 4打数2安打1打点。通算でも19打数13安打の打率・684、6打点と内川は鹿児島と抜群の相性を誇る。ただ舞台裏では、もがいていた。4月の月間打率は、試合前の時点で・222。不振から抜け出すために打撃フォームを試行錯誤していたが、復調のきっかけは森の一言だった。10日のヤフオクドームでの練習で「ウチさん、打ち方変えました?前の方がよかったです」とささやかれた。2年目セットアッパーの何げない言葉だが、内川は素直に聞き入れ、修正を中断。以前の打撃フォームで5試合ぶりに打点を挙げ、4番の仕事を果たした。

 長いゼロ行進を止めたのは中村晃だった。4回2死一塁から今宮の力のない一塁への打球が、中田の目の前でイレギュラーし、2死一、三塁。幸運な形で訪れた好機で中村晃は右前適時打を放ち、4日の西武戦(西武プリンスドーム)の8回以来、37イニングぶりの得点をもたらした。「前のチャンスで凡退したので、ドキドキでした。開き直って初球からいった」。3日の西武戦(同)の9回に内川が放って以来、チームでは44イニングぶりの適時打でもあった。日本ハムはこの回だけで2失策。この日も無得点なら4試合連続無得点となり、南海時代の43、47年の不名誉な球団記録に並ぶところだったが、運も味方した。

 「ハムの連勝を止めたことより、自分たちが得点を取って試合に勝つことができた。良かった」。連続無得点記録は「気にしていなかった」と語る工藤監督だが、さすがにうれしそう。「熱男(アツオ)」のスローガン通り、気温5度前後だった仙台から、気温21・7度まで達した鹿児島に移ったことで、打線の動きを封じ込んでいた氷が溶け始めた。

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