首位攻防第1Rは“近鉄”の勝ち!金子好投で0・5差

[ 2014年5月17日 05:30 ]

<オ・ソ>8回2死三塁、長谷川の打球にグラブを出す金子

パ・リーグ オリックス4―1ソフトバンク

(5月16日 京セラD)
 オリックスは首位攻防第1ラウンドのソフトバンク戦で、エース金子千尋投手(30)が8回1失点の好投で逆転勝ちを呼び寄せた。「OSAKA CLASSIC 2014」と銘打った今3連戦は、互いに近鉄、南海の復刻ユニホームを着用。往年のファンも喜ぶエースの快投に猛牛打線の復活で、0・5ゲーム差に迫った。17日にも首位奪取を狙う。

 金子の球には力が残っていた。8回、無死一、二塁。一発出れば同点の場面で李大浩(イデホ)を迎えたが、最大のピンチを切り抜けた。実は「投げミス」と苦笑いしたが、こん身の直球で二ゴロ併殺。チーム打率・283を誇る強力ソフトバンク打線に堂々と立ち向かい、8回11奪三振で1失点。見事に牛耳った。

 「勝てなかった試合も悪くはなかったが、チームが負けていたので責任を感じていた」。ここ2試合、勝ち星から遠ざかり、2勝3敗と黒星先行。窮地でマウンドに上がったが、やはり金子千尋だ。本来の力を発揮した。4回、内川に左翼5階席まで運ばれる先制の特大ソロを被弾。京セラドームでは、昨年8月28日の楽天戦の7回から40イニング連続無失点で記録は途絶えたが、そこから再加速。6回には松田、柳田を連続三振にしとめるなど、寄せ付けなかった。

 この日は近鉄の復刻ユニホームを着用。66~73年前期まで使用した白を基調にしたもので、ちょうど67~71年に鈴木啓示氏(スポニチ本紙評論家)が5年連続で20勝以上を挙げた時代だ。往年のファンも喜ぶ戦闘服での金子復活劇。「昔は先発したら完投するのが当たり前の時代。今は(リリーフとの)分業制になって難しいが、ぼくは時代に反して、そういう投手になりたいと思っている」。最終回、平野佳に託したことを悔やむあたりも、今季すでに2完封を挙げている金子らしかった。

 「ユニホームもクラシックに代わったので、グラブも変えやすかった」と、これまでの濃紺のものから、薄茶色にチェンジ。衣装替えして、エースがついによみがえった。ゲーム差も0・5に縮まり、17日にも首位交代が実現する。「きょうは正直、ゲーム差とか考えている余裕はなかった。前回、ソフトバンクにも敗れていたし、純粋に勝ちたかった」。背負っていたものを下ろし、エースはふっと一息ついた。

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2014年5月17日のニュース