マー君 ダル超え最速100勝も「日本でやっとけやと」

[ 2014年4月6日 07:46 ]

<ブルージェイズ・ヤンキース>初登板。マウンドに上がる田中

ア・リーグ ヤンキース7―3ブルージェイズ

(4月4日 トロント)
 ヤンキース・田中らしく節目の勝利を振り返った。楽天時代から通じて176試合目での日米通算100勝。ダルビッシュの177試合を1試合上回り、65年のドラフト制以降では最速となったが「速いとは思わない。日本でやっとけやと思いますよ。50勝も4年でできなかった。その時も前年にしておかないと、と思ったんですよね」と笑った。

 07年、高卒ルーキーとして11勝をマーク。11年は19勝、昨季は24勝で最多勝を獲得した。だが、田中に「思い出に残る白星」を聞くと、返ってきたのは、「100勝」には含まれていない試合ばかりだった。

 「一番は去年のリーグ優勝ですよ。あの高ぶりは今までになかった」。昨年9月26日の西武戦(西武ドーム)で1点リードの9回に登板し、1死二、三塁のピンチを招きながら、栗山、浅村を8球オール直球勝負で連続三振に仕留めた。楽天を初優勝に導き、胴上げ投手となった「田中の8球」だ。「注目を浴びていたから一つ一つの行動を意識した」。ブルペンからマウンドへ「わざとゆっくり歩いた。ああ、いい空気だなあって」。数少ない屋外ブルペンで、ファンが田中の存在に気づき、沸く雰囲気をあえて演出したという。

 次に挙げたのは09年10月23日のCS第2S(現ファイナルS)。0勝2敗で日本ハムに王手をかけられた第3戦(札幌ドーム)で9回2失点で完投勝利を挙げた。「負けたら野村監督が終わりという崖っ縁。自分の番が回ってきて、絶対何とかしてやる、次の日につなげてやるって。それで勝てたのはうれしかった」。プロ初勝利や他の試合には「あんまり…」と繰り返すばかりだ。

 通算72勝目を挙げた12年8月26日の日本ハム戦(Kスタ宮城)から、レギュラーシーズンでは負けておらず、日米合わせて29連勝となった。しかし、田中は言う。「やっぱり、優勝を争っていないと印象に残らないなあ」。個人の記録より、チームの勝利。その哲学はメジャーに行っても変わらない。

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2014年4月6日のニュース