“東浜の後継者”亜大・山崎 13K完封も“残念”

[ 2013年6月13日 06:00 ]

<亜大・近大工学部>1安打完封勝利の亜大・山崎は笑顔を見せる

全日本大学野球選手権第2日・2回戦 亜大6―0近大工学部

(6月12日 東京ドーム)
 1回戦3試合、2回戦4試合が行われた。昨年、東浜巨(現ソフトバンク)を擁しながら準優勝に終わった亜大は、山崎康晃投手(3年)が近大工学部相手に毎回の13三振を奪い1安打完封勝利。2年連続8強入りを決めた。明大は山崎福也(さちや)投手(3年)が創価大戦で1失点完投勝利を挙げた。13日は2回戦4試合、準々決勝1試合が行われる。

 最後の29人目の打者からツーシームで空振りを奪い、山崎は13個目の三振で試合を締めた。許した走者は5回の中前打と失策による2人だけ。しかし、笑顔の裏には悔しさもあった。

 「昨年の大学選手権で東浜さんが14三振を奪った。14が頭の中にあった。並ぶことができなかった。力が足りなかった」

 昨年の同大会。東浜は八戸大との2回戦で14奪三振をマークしたが、決勝では早大に0―4で敗れて10年ぶりの日本一を逃した。その試合で最後の2/3回だけだが、決勝のマウンドを経験したのが山崎だった。

 生田勉監督が、ドラフト候補・九里ではなく、3年生の山崎を初戦の先発に抜てきした理由は一冊のノートにある。「日誌も判断した」と指揮官。リーグ戦中はスパイクを履いて土のグラウンドを走り込み、体をいじめ抜いた。リーグ戦終了から2週間あったが、山崎はノートにチーム一丸で日本一を奪取するという熱い思いをつづった。

 「自分の生命線は直球」とその気持ちを直球に込めた。最速146キロを記録するなど伸びのある球で勝負。1安打完封で自身全国初勝利を飾った。

 昨年果たせなかった日本一は、今度は自分の力でつかみ取る。「東都で勝って日本一になれないのが何より悔しい」と力を込めた山崎。表情は柔らかいが、その決意は固い。 

 ◆山崎 康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日、東京生まれの20歳。尾久八幡中では西日暮里グライティーズに所属。帝京では2年春からベンチ入りし、甲子園には2年夏、3年春の2度出場。亜大では1年春にリーグ戦デビュー。今春は6試合で4勝1敗、リーグトップの防御率1・10をマークした。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

 ▼近大工学部・右近理監督(山崎は)いい投手で手も足も出なかった。ズルズルいってしまった。リーグ戦にはいないような投手だった。

 ▼亜大・水本(1試合3二塁打の大会タイ記録)東京ドームが初めてで球が見えにくかったけど試合中に修正した。チームで一番打点を挙げて日本一に貢献したい。

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2013年6月13日のニュース