鳥谷 1109日ぶり札幌D勝利呼んだ!吉川攻略の先制打

[ 2013年6月13日 06:00 ]

<日・神>初回1死二塁、阪神・鳥谷は吉川から中前適時打を放つ

交流戦 阪神6-1日本ハム

(6月12日 札幌D)
 北の大地でも強い! 阪神は12日の日本ハム戦でクリーンアップトリオがそろって打点を挙げ、6―1で快勝した。5連勝、セ・リーグ首位堅守への先陣は鳥谷敬内野手(31)だ。初回1死二塁から中前へ先制打。3番打者が初回に適時打を放てば、今季は6戦全勝だ。4連敗中だった札幌ドームで1109日ぶりに勝ち、貯金は今季最多を更新する13。球団初の交流戦優勝へ、猛虎は望みがある限り突っ走る。

 絶好機は初回から訪れた。1番の西岡が中前打で出塁し、続く大和が犠打に成功。難敵・吉川を相手に、あっさり得点圏に走者を進め、先制へのお膳立ては整った。生まれたチャンスを、鳥谷は逃さなかった。

 「初回から1、2番で作ってくれたチャンスで打てて良かった。相手とかじゃなく、先に点が取れたことが良かった」

 カウント1ストライクからの2球目。2球連続で続いた外角へのストレートに体が反応した。コースに逆らうことなく素直にバットでとらえた打球は中前へ。二塁走者の西岡を生還させた。早いカウントから攻撃を仕掛ける打撃は好投手対策への基本。思惑通り、ストライクゾーンに来る数少ない球を確実にとらえたことに価値があった。

 吉川がパ・リーグ防御率1位に輝いた昨季、阪神は5月16日の対戦で敗戦を喫し、鳥谷も3打数無安打だった。1点目が好左腕攻略への突破口となり、ここからマートン、新井とクリーンアップトリオが全員打点。今季も日本ハムの勝ち頭で5勝を挙げているエースを完ぺきに砕き、1年越しで屈辱を晴らした。

 打線全体としても、今季の交流戦ではパ・リーグの並み居るエース級を撃破してきた。ソフトバンクの摂津を皮切りに西武の涌井、オリックス・金子、ロッテ・成瀬…そして、この日の吉川だ。強敵を打ち崩してきた結果の白星量産。リーグ首位に立つ好調の源だ。

 「エース級とかは関係ない。(吉川とか)対戦機会が少ない中で、勝てたことが良かった」

 ここ2年勝ちがなかった鬼門・札幌でも背番号1の不敗神話は本物だった。初回に鳥谷がタイムリーを記録すれば今季は6戦全勝。他力頼みながら、球団初となる交流戦の逆転優勝に望みをつなげた。和田監督は「今は非常にいい感じでゲームが出来ている。一つ一つ思い切り戦って、最後に勝負をかけられるようなゲームをしたい」と残り3戦全勝を期す。

 勝利数と比例するように、鳥谷自身の打率も今季最高となる・284まで上昇した。「一戦、一戦やるだけです」。先を見据えながら冷静に現実も見つめるチームキャプテンは、北の大地で残されたあと一戦に全力を傾ける。

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2013年6月13日のニュース