塩見カーブが効いた Kスタ3戦3勝で防御率0・38

[ 2012年5月1日 06:00 ]

<楽・日>お立ち台で塩見(左)の手をあげるガルシア

パ・リーグ 楽天2-1日本ハム

(4月30日 Kスタ宮城)
 最後はこの日を象徴する1球だった。7回2死二塁。楽天・塩見が田中に投じたのは左打者の肩口から真ん中に入るカーブ。甘いコースだったが、遊飛に抑えた。直後に打線が逆転してチームトップの3勝目。「(体力的に)いっぱいいっぱいだったけど、丁寧に投げました」と大きく胸を張った。

 2回連続で中5日のマウンド。蓄積疲労で序盤から球威も制球も調子は悪かった。そこで内角直球と100キロ台のカーブを有効活用。普段のカーブの割合は1割に満たないが、この日は117球中14球を投じた。「(3、5回の)2死からの無駄な四球が課題」と反省しつつ、7回4安打1失点の内容には「(捕手の)嶋さんがカーブを多めに配球してくれてよかった」と手応えを語った。

 強い腕の振りが打者を幻惑した。前々回18日のロッテ戦(QVCマリン)は3回途中4失点。試合途中で星野監督から「公開説教」を受け、降板後は悔し涙を流した。欠けていたのは技術ではなく「攻める」という強い気持ち。同時に直球だけでなく、カーブなどの変化球でも腕を強く振る意識を高めた。前回24日のオリックス戦(Kスタ宮城)も8回無失点の好投。失投なら危険度が増すカーブも、この日のように気迫を込めて腕を振れば打ち損じを誘える。

 これで今季のKスタ宮城は3戦3勝。計24回1失点で防御率0・38となり「雰囲気もマウンドも投げやすい」と笑った。腰痛で田中が不在の中で迎えた正念場の9連戦。最初のカードを1勝1敗1分けで終えた星野監督は塩見について「いい投球だった」と評価した。

 次回登板も中5日で6日のソフトバンク戦(ヤフードーム)。舞台は変わっても、打者に立ち向かう姿勢は変わらない。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(塩見について)カーブが良かったね。ストライク先行で追い込んでいた。

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2012年5月1日のニュース