無死満塁でも点取れない 巨人ちぐはぐ攻撃でドロー

[ 2012年5月1日 06:00 ]

<巨・神>7回1死満塁、小笠原は捕飛に倒れる(投手・メッセンジャー)

セ・リーグ 巨人0-0阪神

(4月30日 東京D)
 ビッグチャンスは何度もつくった。それでもホームベースが遠い。延長11回の末、阪神戦では69年ぶりとなるスコアレスドロー。特に7、9回の2度の満塁機を生かせなかったのが痛かった。原監督は「あらためてジャイアンツがまだ乗り切れていない原因を感じた。監督、コーチ、選手ももう少し勝負に対して厳しく取り組まなければいけない」と紅潮した表情で声を絞り出した。

 乗り切れない象徴的なシーンは9回だった。無死一塁から、7回の前の打席で自身6年ぶりの送りバントを決めていた村田が、初球に再びバントの構えで相手を揺さぶった。続く2球目の135キロのシュートを捉え、右翼フェンス直撃の二塁打。その後の敬遠で無死満塁とし、絶好のサヨナラ機をつくった。それでも、だ。谷が空振り三振、加治前が浅い右飛、実松が二飛。代打で次々に送り出された3人が、いずれも三塁走者を迎え入れることができなかった。

 「15点取ったり7点取ったり、しかしこのように1点も取れないのがうちの現状」と岡崎ヘッドコーチ。スタメンは26日DeNA戦(鹿児島)で15得点した打線に3試合ぶりに戻した。正攻法で攻略できる投手なら爆発力を見せつけるが、好投手相手になると、あと1本が出なくなる。「工夫や泥臭くても1点を取る。その1点を積み重ねること」と岡崎コーチは続けた。犠飛やスクイズ、高いバウンドのゴロでも得点できる無死、または1死で三塁に走者を置くシーンは4度あった。

 7回1死満塁で捕飛、9回1死満塁では代打を送られた小笠原は「毎回同じコメントになるが投手に申し訳ない。(代打は)仕方ない、ベンチの考えなので」と話した。強打者を並べ、チャンスをつくっても、野球は点取りゲーム。1点を奪わなければ勝利は見えてこない。

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2012年5月1日のニュース