松井レイズ入り発表 マイナー契約異例の本拠入団会見も

[ 2012年5月1日 06:00 ]

タンパ国際空港に到着した松井秀喜

 レイズは30日(日本時間30日深夜)、アスレチックスからフリーエージェント(FA)になり、今季の所属が決まっていなかった松井秀喜外野手(37)とマイナー契約を結んだことを発表した。松井は同日にフロリダ州タンパ入りし、1日(同1日深夜)に本拠地トロピカーナ・フィールドで入団会見に臨む。2日(同3日)には同州ポートシャーロットで行われているマイナーのエクステンデッド(延長)・キャンプに合流。松井がいよいよ日米20年目のシーズンのスタートラインに立つ。

 ついにレイズとのマイナー契約が正式発表された。時を同じくして、松井はレイズのチームカラーでもある紺色のジャケット姿でタンパ国際空港に降り立った。口を開くことはなかったが、契約チームがないまま2月に渡米し、同月下旬から個人で練習を続けていた松井にとってはようやく決まった新天地。その表情には安堵(あんど)感もうかがえたが、同時にこれからのイバラの道を思い引き締まったものだった。

 アンドリュー・フリードマン編成担当取締役は「松井は最も打点を稼げる打者の1人。彼の能力、プロフェッショナリズムをわれわれの球団に加えられることは幸せだ」とコメント。マイナー契約でも、松井にはこれまでの野球人生と同様に、華やかな舞台が用意される。レイズの本拠地であるトロピカーナ・フィールドでの入団会見だ。ヤンキース時代の同僚であり、DH市場のライバルだった通算2723安打のデーモンは、17日にインディアンスとのマイナー契約が発表された際には電話会見。実績を持つ大物選手でも、マイナー契約の場合は簡素化されるのが通例で、それだけに今回の松井のメジャー本拠での会見は異例といえる。日米での注目度の高さが考慮された形だ。

 03~09年に在籍した古巣ヤ軍のキャンプ地タンパから約36キロの距離にある、トロピカーナ・フィールド。松井にとっては抜群の相性を誇る球場だ。通算出場61試合、43打点はいずれもビジター球場としては最多。30日からレイズは本拠地にマリナーズを迎えて4連戦。マ軍には日本人メジャー野手の先導役をともに務めてきたイチローがおり、マイナー契約からはい上がった川崎がいる。これも何かの因縁か。日米通算20年目のシーズン。再起を懸ける松井の肉声が注目される。

 ▽トロピカーナ・フィールド 1990年にフロリダ州セントピーターズバーグに開場し、デビルレイズ(現レイズ)がア・リーグ東地区に新規参入した98年から現名称に。左翼315フィート(約96メートル)、中堅404フィート(約123メートル)、右翼322フィート(約98メートル)で、フィールドは人工芝。現在の30球団の本拠地では、唯一の密閉式ドーム。名物はバックスクリーンにあるエイが泳ぐ巨大水槽で、牛の首につけるカウベル(鈴)を鳴らす応援スタイルが定着している。

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2012年5月1日のニュース