バルディリス 家族の前で最下位脱出サヨナラアーチ

[ 2012年5月1日 06:00 ]

<オ・西>サヨナラ本塁打のバルディリスは息子のアーロン君とともにファンの声援に応える

パ・リーグ オリックス5-4西武

(4月30日 京セラD)
 打球の行方も見ずにオリックス・バルディリスが右手でガッツポーズをつくった。一塁ベンチでも歓喜の輪ができた。打った瞬間それと分かる3試合連続の3号弾でオリックスが連敗を2で止めるとともに、1日で最下位も脱出した。

 「チームの勝利のために、と打席に入って、そこにスライダーがきた。それを、強く叩いた」

 お立ち台で、バルディリスが声を弾ませた。その傍らには「家族は私の人生」という長男・アローン君(5)が、視線の先のスタンドには愛妻・マリエリさんがいた。

 「あの場面だと内のボールは投げたくないだろな、と思った。遅い、外のボールを狙っていた」

 自身2度目のサヨナラ弾、3度目のサヨナラ打は的確な読みから生まれた。逆転劇への幕もそのバットが開けた。4点を追った6回に先頭で左翼線に二塁打を放つと、北川も左中間二塁打で続いた。

 「重い雰囲気にはなりたくなかった。走者を進めることより、タイムリーを狙って、来た球を思い切り強く叩いた」

 前日29日の初回1死満塁で遊ゴロ併殺打に倒れただけに、北川の談話にも実感がこもる。7回に同点の2号ソロを放った李大浩も、「きょうのホームランは価値があると思う。ミーティングで岡田監督から“負けているが、個人個人、積極的にやっていこう”と聞いた」と明かした。

 2回と4回の2死満塁で倒れた坂口も、6回1死一、三塁から3点目を記録した。投げても平野が2イニング、岸田が1イニングを完璧に、かつ好リズムで抑えて逆転劇の呼び水となった。「3人(金子千、寺原、T―岡田)が戻ってくるまで、今のメンバーで頑張らないといけない」。この李大浩発言、ナインの総意でもある。

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2012年5月1日のニュース