逆転で連勝!大阪・川崎 エース攻略で“光る”勝負勘

[ 2012年5月1日 10:00 ]

決勝打を放った大阪・川崎

 女子プロ野球は30日、神戸サブで京都―大阪の1試合を行い、大阪が8-3で京都に逆転勝ちし2勝目を挙げた。大阪は開幕5連敗の後2連勝、逆に京都は開幕5連勝の後に連敗となった。

 ようやく目を覚ました大阪打線が、京都のエースに襲い掛かった。今季最多の14安打8得点で開幕5連敗後に連勝を飾ったが、とどめを刺したのは昨季まで補欠だった5番川崎ひかるの一打だった。

 2点を追う4回、一死2、3塁から2番森藤の2点中前適時打で同点にすると、なおも4番小久保の右前打で二死1、3塁と好機を広げた。続く5番川崎は「塁に走者がいないと面白くないんです。チャンスで回ってくるから気合が入る」と追い込まれながら京都先発の宮原が投じた内角高めのスライダーを思い切り振り抜き、三遊間を破る逆転決勝打を放った。

 「どうにかして絶対勝ってやると打ちました。打った球は高めの変化球だったと思いますけど、よくわかんない。もう必死で打ってました」。

 川崎は昨季に所属した兵庫時代は代打要員だった。継続して試合に出られない分、走者を還すことに喜びを見出し、勝負勘を養った。大阪に移籍した今季は体重移動を最小限にして、右足の軸上でスイングする新フォームに。安定感のある打撃で現在も打率.333を維持し、5番打者として定着した。

 開花した5番の逆転打で続く黒木の右前打、そして7番梅本の走者一掃右中間3塁打を呼び込むなど、この回一挙6得点の猛攻で勝負を決めた。開幕から苦しみ続けたが、なんとか攻撃の形が見え始めた大阪。やられた分だけ、じっくりとやり返すつもりだ。

 <投打に快調!大阪バッテリー>大阪のキャプテン碇のバットが止まらない。この日、3安打した恐怖の8番打者は打率.467に上昇し、一気に打率トップへと躍り出た。「好調の要因は結果を気にせず、自分のスイングだけを考えて打席に入っている。首位打者は信じられない。でも、まだ途中なんで、気を抜かずに最後まで行きたい」と笑顔を見せた。また、エースの小西美加も初回に3点を許したものの、速球を中心に6回を投げ切って2勝目を挙げた。「先週の日本代表候補戦も含めて自分の気持ちが、今まではやっぱり弱かった。マウンド度胸という部分から見直して、立ち振る舞いから修正出来た」。メンタルの弱さを日本代表候補戦での好投をきっかけに克服した。自信を取り戻したエース小西美加がこれからの巻き返しを誓う。

 <京都・宮原は歯車かみ合わず>連敗を喫した京都は、エース宮原の不調がチームに連鎖している。速球のスピードはそのままだが、右打者の胸元に抜ける球が目立つなど、体が開く影響から制球に苦しむ。「自分のラインが今崩れている。意識が行き過ぎて肩が内に入っているのがわかる。うまく修正しようと意識しても、ボールが今度は真ん中に甘く入ってしまう」と胸の内を語った。カウントを悪くしては、甘い球を打たれ、今季ワーストの7失点。打線も宮原の投球内容に比例するかのように、この日はクリーンアップがわずか1安打と下降の一途をたどっている。開幕5連勝の勢いを取り戻すには、やはりエースの復調が鍵を握っている。

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