驚異の46歳 山本昌球団新の212勝目&防御率トップ

[ 2012年5月1日 06:00 ]

<中・D>球団新の212勝目を挙げ、お立ち台でファンに応える山本昌

セ・リーグ 中日1-0DeNA

(4月30日 ナゴヤD)
 中日のエース・吉見から花束を手渡され、大ベテランは照れたように笑った。杉下茂氏が中日時代にマークした211勝を抜き、球団最多記録の212勝目。山本昌は「ホッとした。杉下さんには可愛がってもらったので恩返しができてうれしい。本当に幸せ」と相好を崩した。昨年は右足首痛で未勝利。今年の春季キャンプに臨時コーチで訪れた杉下氏には「早く追い越せ」と叱咤(しった)激励されていた。今季2勝目。ようやく大先輩を追い越した。

 先発メンバーに右打者をずらりと並べたDeNA打線に対し、外角の直球が面白いように決まった。高木監督が「生命線」と評するボールは球速こそ130キロ台だが、打者は切れのある球に差し込まれ、捉えることができなかった。7回2安打無失点。最後まで制球は乱れなかった。

 指揮官が前回監督を務めた92~95年も、山本昌は投手陣の中心だった。94年には沢村賞を獲得。高木監督は「体は丈夫だし、変わっていない。球速も133、4キロだった」と20年前を思い起こす。当時から制球重視のスタイルは一貫している。今季は5試合に先発して計33回で2失点。リーグトップの防御率は0・55に上がった。

 19日に父の巧さんが他界(享年78)。22日の広島戦(マツダ)ではチームが勝ち、ウイニングボールを棺に納めた。今回は本拠地で天国の父にささげる白星を挙げた。お立ち台では言葉をかみしめるように言った。

 「しっかり送り出せたし、きょうは応援してくれていたと思う。勝てばいい報告ができると思っていた」。次回は今季初の中5日で敵地で行われる6日のDeNA戦。実家がある神奈川県内で入院していた巧さんが生前に「治ったら車いすでも応援に行くからな」と話していた試合だ。防御率トップを走る驚異の46歳左腕が、次は父の眠る地で快投劇を演じる。

 ▼中日・権藤投手コーチ(山本昌に)力があった。相手打線の状態もあるが、真っすぐでぐいぐい押せた。

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