“貯金”の黄金週間に…新井の一発で虎4月5割締め

[ 2011年5月1日 06:00 ]

<神・ヤ>3回、新井は左越えソロを放つ(投手・増渕)

セ・リーグ 阪神6―2ヤクルト

(4月30日 甲子園)
 完璧な手応えとともに、白球は黄色一色に染まった左翼席へ消えた。3回だ。4月26日の広島戦(マツダ)に続く阪神・新井の2号は、自身今季甲子園1号。クリーンアップとしても最初に聖地でアーチをかけてみせた。

 「打った瞬間入ると思った。余計なことは考えずに自分のスイングをするということだけ意識して。うまく振り抜けた」

 快振の伏線は1打席目にあった。先制を許した直後の1死二、三塁。初球から4球続いたスライダーをしっかり見極めた。そしてフルカウントから選んだ四球で確信。ボールは見えている。ならば後はとらえるだけだった。続く2打席目、ヤクルト先発・増渕のカーブを砕いた。

 「追加点が取れないことが多かったけど、あれで弾みがついた。追加点が入るとうちのペースで試合を運べる」。貴重な5点目となった一撃に真弓監督も目を細めた。

 バットだけじゃない。“マウンド上”でも存在感を示した。7回無死一塁、2番手・榎田が青木に対して1ボールになった直後に駆け寄り「思い切って腕を振れ。結果を気にするな」とゲキを飛ばした。結果的には四球を与えたものの、左腕は続く田中、ホワイトセルを抑えた。幾度となく修羅場をくぐり抜けてきたからこそ分かる「勝負のポイント」を敏感に察知。ルーキーの緊張をほぐし勝利をグッと引き寄せた。

 新井が打点を挙げればこれで5勝1敗。今季最多の4万6893人の大観衆が詰めかけた一戦で、4月の5割締めを決めた。ここからが本当のスタート。猛虎の4番は、貯金の黄金週間にするため打ちまくる。

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2011年5月1日のニュース