右肘に張り…松坂、イチに打たれた直後に緊急降板

[ 2011年5月1日 06:00 ]

マリナーズ戦の5回、イチローに中前打を打たれた後、降板するレッドソックス・松坂

ア・リーグ レッドソックス4―5マリナーズ

(4月29日 ボストン)
 レッドソックスの松坂大輔投手(30)が29日(日本時間30日)のマリナーズ戦に先発したが、右肘の張りで緊急降板した。勝利投手目前の5回、先頭のイチロー外野手(37)に中前打された直後に交代を命じられた。4回0/3を3安打3失点(自責1)で、イチローとの今季初対決は3打数1安打。次回4日(同5日)のエンゼルス戦登板は今後の状態を見て判断する。試合はイチローが2安打2得点したマ軍が4連勝を飾った。
【試合結果】

 松坂のもとへ、テリー・フランコナ監督がトレーナー2人を伴って一塁ベンチを飛び出した。5回、先頭イチローに中前打された場面。捕手のバリテックからベンチへ異変を知らせるサインも出ていた。指揮官から説得されて無念の降板。原因は右肘の張りだった。

 「3回くらいから肘に張りはありましたが、シーズン中、たまにあること。自分でも気にしていませんでしたし、(交代時も)自分ではいけると思っていた。異常と感じる張りではない」

 交代の判断は、10キロ近く球速が落ちたことだ。初回、イチロー相手に150キロを連発して力でねじ伏せた姿はない。5球すべて140キロ前後だった。松坂は「意図的にスピードを落としてボールを動かした。くさいところにいけば打ってくるというイメージがあった」と説明。だが、回の合間にストレッチを繰り返す姿をフランコナ監督は「腕を気にしているようだった。加減して投げているようにもみえた」と感じた。だからこそ、球速減は異変としか映らなかった。4―2とリードし、3勝目の権利まであと3アウト。松坂は「選手の体のことを大事に考えてくれるのは理解している」との言葉で無念の思いを封じ込めた。

 下半身を使って腕を振る。昨季よりも体に負担をかける投げ方は自覚しており「体の状態は常に敏感でいる」と話してきた。だが、イチローとの初対戦で「自分でもうまくコントロールできない感じ。力は入ります」と打ち明けた。無意識に力が入った点も、微妙な狂いを生んだ可能性はある。初回の2失点で連続無失点も15イニングで途切れた。

 試合後のトレーナーの診断でも異常はなく、通常のアイシングとストレッチで球場を後にした。フランコナ監督は「次は大丈夫だと思うが、状態はチェックする」と言った。中4日で予定される次回4日のエンゼルス戦に向け、右肘の張りをとることに専念していくしかない。

 ▼レ軍カート・ヤング投手コーチ 試合中に投げ方が少し変わっているように見えて、それで本人に聞いてみたら、肘が張っているということだった。次回については、彼がボールを投げることができるかどうかを日々チェックして判断する。

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