楽天も佑ちゃん指名へ マー君とWエースだ!

[ 2010年7月23日 12:09 ]

06年夏の甲子園でライバルとして死闘を繰り広げた斎藤(左)と田中

 楽天が今秋ドラフトで、早大の斎藤佑樹投手(4年)を1位指名の最有力候補にリストアップしたことが22日、分かった。三木谷浩史球団会長(45)の意向によるもので、06年夏の甲子園決勝で再試合の死闘を演じた田中将大投手(21)とのコンビ結成となれば、注目度は抜群。すでにロッテ、ヤクルトが1位指名を表明しているが、球団トップの大号令で争奪戦に参戦する。

 近年では大豊作といわれる今秋のドラフト。これまで楽天は1位指名候補については一切言及を避けているが、水面下では三木谷球団会長の強い意向を受け、斎藤獲りに着々と動いていた。
 球団幹部によると、同会長が斎藤獲得のプランを周囲に披露したのは、4月に都内で行われた球団の経営諮問委員会の会合。同席したこの幹部は「野球の話を始めて、ドラフトの話も出た。斎藤はいいという話になって“佑ちゃんを獲ろう”みたいな感じで言っていた。ドラフト最終決定権は三木谷にありますからね」と明かした。
 斎藤については、既にヤクルト、ロッテが1位指名の方針を固めているが、人気と実力の両面を兼ね備えた早大のエースは、楽天にとってもどうしても欲しい存在。特にチーム内には、06年夏の甲子園で、早実と駒大苫小牧のエースとしてともにフィーバーを巻き起こした田中がいる。高校から直接プロ入りした田中は着実に成長を遂げ、3年目の昨季は自己最多の15勝をマーク。別の道を歩んだ2人がチームメートとなれば話題性も抜群で、同幹部も「実力とスター性のある選手は少ないし(斎藤は)魅力がある。過去のドラフトを見てもらえば分かると思うが、ウチは競合しても人気のある選手を獲りたい」と語る。
 楽天は06年の高校生ドラフトでは最大の注目選手だった田中を4球団競合、07年の大学・社会人ドラフトでも長谷部を5球団と競合しながら抽選で引き当てた。07年の高校生ドラフトでは由規(ヤクルト)、09年も菊池(西武=登録名・雄星)を1位指名。いずれも獲得を逃したが、目玉選手を果敢に指名してきた実績もある。
 現段階で、編成の現場サイドには三木谷球団会長の意向は伝わっていないが、大号令で一気にドラフト戦略の方向性が決まる可能性はある。06年夏の甲子園から4年。杜の都で「ハンカチ王子」と「マー君」のコンビが実現するかもしれない。

 ◆斎藤 佑樹(さいとう・ゆうき)1988年(昭63)6月6日、群馬県生まれの22歳。生品リトルチャンピオンズで野球を始めた小1から投手。生品中では関東大会で8強。早実3年のセンバツも8強で、夏の甲子園決勝では駒大苫小牧を再試合の末に破り全国制覇を果たした。早大では1年春から活躍。大学入学直後の東大戦では早大史上初の1年生開幕投手を務めた。現役最多の通算27勝を誇る。1メートル75、75キロ。右投げ右打ち。

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2010年7月23日のニュース