初めての球宴で２回完ぺき！前田健「もう大丈夫」

　【全セ４―１全パ】初めて踏んだ球宴のマウンドで、広島の前田健が息を吹き返した。「ストレートを狙ってくると思うので、ストレートで抑えたい」。最速１５０キロをマークし、試合前の宣言通りに直球主体で２回を完ぺきに封じた。

　登板を回避するほど疲れ切っていたここ最近の様子を、全く感じさせなかった。投じたのはほとんどが直球。ファン投票で最多得票を得た右腕について、この日の女房役阿部は「１５０キロも出ていたし、あらためていい投手だなと思って受けていた」。シーズン中は変化球でかわす投球が多くなっていたが、パの強打者を力でねじ伏せた。
　ハイライトは一回２死無走者で中島を迎えた場面。１５０キロを連発し、最後は１４７キロで詰まらせて右飛に仕留めた。今季の成長を後押しした一番の武器に威力が戻り、前田健は「これでもう大丈夫だと思う」ときっぱりと言い切った。
　ベンチでも硬くなることなく、笑みを浮かべてリラックスしていた。「ベストピッチャー賞」を受賞して賞金も手に入れ「いい雰囲気で、本当に楽しかった。来年からも毎回出たくなったので頑張る」。心身ともに充実。後半戦に向けての弾みもついた１７球だった。