早大学院56年ぶり4強!早実と41年ぶり激突

[ 2010年7月23日 06:00 ]

<早大学院・東亜学園>準決勝進出を決めた早大学院ナインは喜びを爆発させる

 第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は22日、41大会で180試合を行った。西東京大会では早大学院がシード校の東亜学園を破って同校56年ぶりの4強進出。初の決勝進出が懸かる準決勝は、強豪・早実との兄弟対決となった。また、鹿児島大会決勝では鹿児島実が昨夏代表の樟南を下して2年ぶり17度目の出場を決めた。23日は29大会で116試合が行われ、北北海道、福島で代表校が決まる。

【22日の試合結果
西東京組合わせ


 【西東京・早大学院1―0東亜学園】まるで優勝を決めたかのような喜びようだった。無理もない。シード校の東亜学園を破って56年ぶりの4強進出。早大学院史上最高成績に並ぶ快挙とあって、試合後の神宮は「都の西北」が響き渡る大学野球さながらの光景が繰り広げられた。
 「うれしいですね。劣悪な環境でも戦えるんだということに誇りを持ったと思う」と木田監督はナインの姿を頼もしげに見つめた。最速126キロ左腕のエース千葉は丁寧に低めをついた。奪った三振はわずかに3個。それでもスクリューボールとスライダーを巧みに操って凡打の山を築いた。この日は集合時間に30分も遅刻。登板機会をはく奪されそうになったが「何とか抑えますので投げさせてください」。直訴してのマウンドで最高の投球を披露した。
 進学校で練習環境も恵まれていない。校庭を使用できるのは週に2日。しかも他部との共用のため半面しか使えない。全体練習は午後6時までだ。昨秋から指揮を執る同校OBの木田監督は「強いところに頭を下げて試合をしてもらいました」と練習試合を数多くこなして足りない部分を補った。5回に挙げた虎の子の1点はフルカウントから意表をつくスクイズで奪った。強豪校の野球を吸収した産物だった。
 24日の準決勝は早実との早稲田対決。同じユニホーム同士の対決かと思いきや「いやいや、やめてください。色や襟が違います。直系と直系じゃないところの違いぐらいはユニホームに出させてもらわないと」と本家としての意地をチラリ。この勢いで“分家”も下し、早大学院の歴史を塗り替える。

 ≪校歌も違う…≫1920年創立の早大学院は「早大付属」で1901年創立の早実は「早大系属」だが、ともに早大にはほぼ100%進学できる。男子校の早大学院は中等部と高等部。男女共学の早実は初等部もある。早大学院は早大と同じ校歌だが、早実は早大と同じ相馬御風作詞の独自の校歌。応援歌はともに「紺碧(こんぺき)の空」。ユニホームは早大学院は早大と同じ。早実は襟がなく、左袖に「B」の文字が入っている。

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2010年7月23日のニュース