松井、NYで復活弾!「久しぶりだね、本当に」

[ 2010年7月22日 06:00 ]

7回、右越えに7月初本塁打を放ち笑顔の松井

 【エンゼルス10-2ヤンキース】夏男の逆襲予報だ。エンゼルスの松井秀喜外野手(36)が20日(日本時間21日)、ヤンキース戦の7回に自身17試合、68打席ぶりの右越え11号2ランを放った。今季苦しめられている外角チェンジアップを仕留めて、かつての本拠地・ニューヨークで放った久しぶりの一撃。過去に最も好成績を挙げていた7月も今年は前日まで打率・190、1打点と大不振だが、慣れ親しんだ地での快音を巻き返しの合図にする。

 ニューヨークが松井の打球を後押しした。高々と上がった一打は、ヤンキースファンで埋まった右翼席へ飛び込んだ。かつての本拠地で移籍後2本目のアーチ。ヤ軍ファンからも歓声が上がる中、6月26日ロッキーズ戦以来17試合、68打席ぶりの感触の余韻に浸った。
 「久しぶりだね、本当に。甘いチェンジアップでしたけど、しっかり打てましたね」と松井は少しだけ表情を緩めた。
 今季は内外角の揺さぶりに苦しみ、なかでも外のチェンジアップを打ちあぐんでいた。「彼が打席で突っ立っている時はダメ」とハッチャー打撃コーチからは「Take a sit(=座れ)」のアドバイスを繰り返されている。4点リードの7回2死一塁。外角チェンジアップをとらえた打席は重心も低く、両ひざはしっかり折れていた。ソーシア監督も「緩い変化球を打ったのはいい兆候」と安どの言葉を漏らした。相手の朴賛浩は過去9打席で8打数無安打に封じられていた天敵。苦手コース、そしてゴジラ封じの刺客を返り討ちしたのは価値がある。
 4月以来の凱旋試合。第1打席ではニューヨーカーに総立ちの拍手で迎えられ「予想はしていなかったけど、ファンの皆さんには感謝してます」と恐縮した。チーム便より早く19日早朝にニューヨーク入り。時差調整と身の回りの雑用に追われ、予定していた散髪もできなかった。この日も練習前に地元メディアから取材攻勢を受けてロッカーの前で立ちっぱなし。全体練習直前に室内ケージ打撃に向かったほどだったが、7年間を過ごしたニューヨーク。慌ただしい中でも試合には自然体で臨むことができた。
 ただ、これで不振脱出と楽観できない状況は松井本人も自覚している。「やっぱり、それ以外の打席でね。反省点がどうしてもあるので、そっちに頭がいっちゃいますよね」。凡退した3打席はいずれも走者を置いてのもの。これまで同様、直球に振り遅れる場面も目立った。単発では周囲も納得はしない。高々と花火を連発してこそ、松井の夏は本番を迎える。

 ≪通算77本目≫松井のヤンキースタジアムでの本塁打は、通算77本目となった。08年までの旧スタジアムで62本。現スタジアムでは昨季13本、今季の4月15日にも1本放っている。またヤンキースタジアムでの安打は通算497安打目で、節目の500安打まであと3本とした。

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2010年7月22日のニュース