中田やっと出た!3年目で待望の「トリ肌」1号

[ 2010年7月21日 06:00 ]

<日・ロ>5回、待望のプロ初ソロ本塁打を放ちガッツポーズする日本ハム・中田翔

 【日本ハム12-6ロッテ】ついに出ました。日本ハムの3年目、中田翔内野手(21)に待望のプロ1号が飛び出した。20日、ロッテ相手の5回、貴重な追加点となる1号ソロを左翼席に叩き込んだ。高校通算87本塁打を放ち、「怪物」と呼ばれてドラフト1巡目で入団して3年。ケガなどの故障に悩まされながら、ようやくスラッガーとしての第一歩を踏み出した。

【試合結果


 試合終了後のスタンド。こんな雰囲気は初めてだった。グラウンド上でお立ち台の準備ができる前から、場内で「ナ・カ・タ!」のコールがこだました。誰がヒーローか、誰の声を聞きたいか、ファンは知っていた。

 それは1点差に迫られた5回だ。中田の一打は左翼席中段に突き刺さった。「打った瞬間に入ると思いました。札幌ドームは一番打ちたかったところ。トリ肌が立って凄かった」。推定130メートルのプロ初アーチ。3シーズン通算40試合91打席目で飛び出した待望の一発は、ジェット機が2段加速するようないかにも中田らしい打球だった。

 「うれしすぎて涙どころじゃない」。大阪桐蔭時代から怪物と騒がれたからこそ焦った。ケガとの闘い。入団直後の08年6月に左手首を骨折して1年目は2軍暮らし。2年目は2軍で30本塁打を放ち本塁打王も、1軍では結果を残せなかった。3年目の今季は初めて開幕スタメンも、やはり期待に応えられず4月19日に2軍落ち。直後に左ひざ半月板損傷の重傷も負った。「このままやったらファンの人たちに忘れられてしまう」。手術回避の可能性を模索したが、最終的には球団の勧めで手術を決意。ただ、これが転機となった。

 リハビリ中はDVDで高校時代の打撃フォームを見直すと、下半身がどっしりとしていた昔の自分を思い出した。さらに、同じ大阪の高校出身で対戦したこともある2学年上のT―岡田(履正社―オリックス)が今季からノーステップ打法で開眼したのもヒントになった。「岡田さんも目線をブレなくするために打ち方を変えた。自分にノーステップは無理だけれど、それが打撃フォームを変えようとした始まりだった」。重心を低くし、トップの位置を固定させる。無駄な動きを省いて確実性を求めた。これがはまった。

 「価値のある一発だったね。でも、逆に困ったな」と梨田監督は苦笑いだ。故障離脱中の高橋、森本は球宴後に復帰の見通しだ。3連敗を止めてチームは貯金1。奇跡の逆転Vへ、怪物の覚せいはうれしい誤算だった。

 ≪木田 開幕4連勝≫今季3度目の先発となった日本ハムの木田が、日米通算24年目で初の開幕4連勝。ただ、味方の援護に守られての勝利に、試合後は反省しきりだった。5回6失点と今季最多失点での降板となった。7―1と大量リードで迎えた5回、2本塁打を浴びるなど、この回だけで5点を失い1点差まで詰め寄られた。「1点でも少なく次の投手につなげないといけないのに…。反省しないといけないところ」と言葉少なだった。

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2010年7月21日のニュース