鉾田一・安達 東野先輩超えへ、あと1勝

[ 2010年7月21日 06:00 ]

<鉾田一・水海道二>7回、スクイズで追加点を上げた鉾田一先発・安達はベンチで出迎えられる

 【茨城・鉾田一6―0水海道二】第92回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)の地方大会は20日、29大会で144試合が行われた。茨城大会では巨人・東野峻投手(24)の母校、鉾田一が水海道二を6―0で下し、4回戦に進出した。

【20日の試合結果
茨城の組み合わせ


 東野先輩を超えろ!巨人・東野の母校、鉾田一高が3回戦で水海道二に快勝。9回5安打で完封した2年生エースの安達は「疲れがあって調子は良くなかった。次も勝って甲子園に出たい」と日焼けした顔で笑った。
 1メートル81、78キロと恵まれた体格。尊敬する大先輩と同じ本格派右腕だ。初回こそ2死一、二塁のピンチを招いたが、空振り三振で切り抜けると「あそこを抑えたことで勢いに乗れました」。終わってみれば9回を散発5安打。三塁を踏ませず反撃の機会を与えなかった。
 明確な目標がある。「東野先輩のようなプロ野球選手になりたい」。鉾田一高出身の東野は、いまや巨人の右のエースに成長。東野と同じく1年からベンチ入りし、2年でエースを務める安達は「ニュースや新聞で結果をチェックしています」。映像と雑誌の連続写真を参考に、投球フォームをまねたこともあった。

 そんな安達が狙うのが「東野超え」だ。東野は3年夏に県大会4回戦で常総学院に敗れた。安達は次戦が4回戦。「疲れはあるけど次も勝って甲子園に行きたい」と夢をふくらませる。斉藤監督も「もっと調子は上がる。潜在能力はすごいものがある」と期待する。
 今も同校の部室には、東野が当時使っていたロッカーにネームプレートがそのまま残されている。「僕も使えるようになりたいです」。現在は3年生が使用中。甲子園出場で一回り成長し、新チーム結成時には尊敬する先輩から「東野ロッカー」を受け継ぐつもりだ。

 ≪東野後援会副会長も安達にエール≫鉾田一野球部後援会長で、巨人・東野の後援会副会長も務める渡辺祐聖氏(65)も安達にエールを送った。「東野は高校時代に背筋が300キロもあった。安達君もまだ2年生だし、恵まれた体格を生かせばいい投手になれる」。東野については「後援会の会費も多めに払ってくれたりと、今でも高校のことを気にかけてくれている」と目尻を下げていた。

 ◆安達 大貴(あだち・だいき)1993年(平5)12月31日、茨城県生まれの16歳。徳宿小3年時に巴スポーツ少年団で野球を始める。4年から投手一本。鉾田北中から鉾田一高へ進学し、1年春からベンチ入り。家族は両親と姉、弟。1メートル81、78キロ。右投げ右打ち。血液型A。

 ▼巨人・東野の鉾田一時代 1年春からベンチ入りを果たしたが、春夏通じて甲子園出場はならなかった。夏の県大会は1年生だった02年は3回戦、03年は2回戦で敗退。04年は4回戦で前年夏の全国覇者・常総学院と対戦し、2本塁打を浴びるなど0―9で7回コールド負けした。プロ球団のスカウトの前で敗れた東野は「2本塁打も9失点も人生初。でも強豪校とできたのは幸せ。悔いはない」と話した。

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2010年7月21日のニュース