松坂 後半戦白星発進!初回克服し7勝目

[ 2010年7月21日 06:00 ]

アスレチックス戦に先発し6回〓を投げ2安打1失点で7勝目を挙げたレッドソックス・松坂

 【レッドソックス2-1アスレチックス】レッドソックスの松坂大輔投手(29)が19日(日本時間20日)、アスレチックス戦に先発し、6回2/3を2安打1失点と好投。後半戦初登板を白星で飾り、今季7勝目を挙げた。試合前の準備を「2部調整」に変更したことで、今季の最大の課題である立ち上がりを克服。初回からの9打者連続を含む計24打者中19打者で初球ストライクと、制球も安定した。プレーオフ進出を目指す大事なシーズン終盤に向け、松坂が本来の姿を取り戻してきた。

【試合結果


 投手にとって、試合の入り方をどうするか。試合中に修正することと同じぐらい重要だ。ようやくできた。松坂は「(チームが)連敗したくなかったので良かった。とにかく僕は、こういうピッチングを続けていくしかない」と控えめだったが、その表情は穏やかだった。

 この試合まで今季38失点のうち16失点を初回に喫していた。その初回をテンポ良く11球で3者凡退で片づけ、6回2/3を投げてわずか2安打。初回先頭から9打者連続で初球ストライクをとるなど、24打者中19打者が初球ストライクの攻撃的な投球で、3回のソロ本塁打による1失点に封じた。

 「頭で制御できない動きがある」――。今季はアリゾナ州での自主トレから体のパーツごとに、柔軟性ある体をつくり上げた。だが、体が動きすぎる想定外のことも起こった。序盤から全開でいくとイメージ以上に体が動き、逆にフォームバランスを崩す要因ともなった。結果、制球を乱した。その日の体がどう動くのか。手探りの中で、序盤に失点を繰り返した。

 「慎重になるのと腕を振るのは別問題。自分の思っている感覚と実際起きている感覚が合っていない。試合とかブルペンで近づけるために腕を振る必要がある」。試合当日の調整法を変えた。メジャー1年目の07年にも採用した試合当日の2部調整。通常は試合の約1時間前にグラウンドに出てアップ、キャッチボール、投球練習の流れをとるが、7月に入ってから試合4~5時間前にも約20分間のキャッチボール、遠投を行うようになった。「早めにやって余裕をもって試合に臨む」。多くスローイングを行うことで、左足を中堅方向に高く上げ、右ひじを上げる修正点もじっくり確認できるようになった。

 工夫には先がある。試合直前のブルペン投球の時間を遅らせた。今までは投球練習の12~15分後にマウンドに立つよう逆算していたが、インターバルを7~8分に変えた。この「5分間」の違いが、投球練習で作ったリズムのまま試合に入ることにつながっている。
 ただ、首脳陣の信頼を全面的に回復するにはいたっていないのも事実。この日初めてのピンチとなった7回2死二、三塁で、球数89球と余力を残しながら降板となった。「あそこを投げさせてもらえるようにしないと…」。次戦25日(日本時間26日)は08年7月22日以来となるイチローとの直接対決が控えるマリナーズ戦。その中で、初回の対決から全開のパフォーマンスを披露する土台ができたのは、何よりの収穫だった。

 ≪目立つ3球勝負≫松坂が89球で6回2/3まで投げた。球数が少なく済んだ要因はカウント別ストライク率を見れば分かる。初球ストライク率79%の後、1ストライク、1ストライク1ボール時にともに67%を記録。早めに2ストライクに追い込み、さらに2ストライクからも計27球中21球がストライクで、3球勝負が目立った。この日の対戦打者は24人。1人当たり約3・71球。仮に110球まで投げた場合、30人前後の打者と対戦できる。この投球を続けられれば、長い回を投げることが可能だ。

 ▼レッドソックス・ファレル投手コーチ 最後までどの球種にも力があった。調整方法は3試合前から変えた。おかげで良いリズムを損なわずに試合に入れている。

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2010年7月21日のニュース