工藤が今季初登板!実働記録を29年に更新

[ 2010年7月21日 06:00 ]

<ソ・西>西武2番手で登板した工藤

 【西武0-2ソフトバンク】ダイエー時代に5年間過ごしたヤフードームは、温かかった。16年ぶりに西武に復帰した47歳・工藤が、大歓声の中、今季初のマウンドに小走りで向かった。

 工藤「何年やっても初登板は何も考えられない。ここであの声援に迎えられて…。野球やっていて良かったなと。緊張していて(歓声は)半分くらいしか聞こえなかったですけど」

 自身の持つ実働年数のプロ野球記録を29年に更新する登板は、0―2の7回1死一塁だった。川崎には四球も本多、ペタジーニを打ち取り2/3回を無失点。ベンチでは渡辺監督から「ナイスピッチング!」と声が飛んだ。

 呼称は「ナベ」から「監督」になった。西武黄金時代を支えた左右のエース。昨年、渡辺監督は工藤が横浜から戦力外通告を受けた日に電話を入れた。シーズン後は食事に誘い「来年は一緒にやりませんか?僕は戦力として見ています」。FAで西武を去った工藤の獲得を球団に掛け合った。

 3月に左ひじを痛めた。2軍で投げる度に、左足首、腰にも激痛が走った。「監督を男にする」。この思いだけは不変だった。「お待たせして申し訳ない。1試合でも多く投げて優勝に貢献したい」。工藤の29年目のシーズンが、この日、開幕した。

 ≪王会長もエール「30年目指せ」≫ソフトバンクの王会長が、西武・工藤へ熱いエールを送った。1999年にダイエーが初優勝した時のエースが福岡のマウンドで躍動するのを見て「元気に放っていたね。ここまできたら(実働)30年を目指してほしい」。西武時代のチームメートで2000年の巨人―ダイエーの日本シリーズで対戦した秋山監督は「投げられるのは凄い。オレより1つ下だからね」と舌を巻いていた。

 ▼西武・潮崎投手コーチ(工藤について)バッティングをさせていなかった。後ろの厚みが1枚増したね。

 ▼西武・橋本投手コーチ(ブルペンから工藤を送り出し)感動した。やっぱり凄い。若いヤツに態度で示してくれるから助かるよ。

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2010年7月21日のニュース