原監督もむせた!巨人サヨナラ勝ちでラッキー堅首

[ 2010年7月21日 06:00 ]

<巨・ヤ>10回、巨人・坂本のバントがヤクルト・増渕の三塁悪送球を誘いサヨナラ勝ち、ナインが坂本のもとへ向かい、ヘルメットを叩いて祝福

 【巨人4-3ヤクルト】サヨナラの生還を果たした脇谷に、巨人ナインが駆け寄った。今季3度目の延長戦。引き分けでも2位転落だった正念場で首位を死守した。

 今季3度目の延長戦を制し、会見の冒頭ではせき込むほど興奮していた原監督は「何と言っていいか分からないが、何とか三塁に走者を進めたかったということです」と苦笑いで試合を振り返った。

 10回無死一、二塁。送りバントを狙った坂本の打球は勢いよく投手前に転がった。三塁封殺という最悪のケースを誰もが頭に描いた瞬間、ヤクルト・増渕が三塁へ悪送球。二塁走者の脇谷が一気に生還した。相手の失策でサヨナラ勝ち。原監督は「決して褒められるバントじゃない」と坂本に苦言を呈すことも忘れなかった。

 ただ、ナインは粘った。勝機をたぐり寄せたのは小笠原だ。初回に先制二塁打。同点の6回は見逃せばボール球だった低めのフォークをすくって、左中間席に19号2ランを運んだ。今季3度の対戦で2敗を喫している村中から7回までにチームがマークした安打は、この2本だけ。お立ち台で小笠原は「(本塁打は)必死で食らいついた。サヨナラ?みんながあきらめずにやった結果」と一丸を強調。原監督は「決して失投ではない球を本塁打にするのは見事。芸術的です」と手放しで称賛した。

 長嶋終身名誉監督が見守る前でリーグ50勝一番乗り。投手陣は3失点で、球団ワースト記録だった5失点以上の連続試合数を10で止めた。「このメンバーで、しっかりと戦っていきたいです」と自らに言い聞かせるように語った原監督。前半戦最終戦を何とか白星で締め、首位の座は守りきる。

 ≪21日に勝てば2年連続の首位ターン確定≫巨人は延長10回に相手の失策でサヨナラ勝ち。巨人が敵失でサヨナラ勝利を挙げたのは07年10月2日ヤクルト戦(9回遊ゴロ失策)以来。延長戦では02年4月11日ヤクルト戦(延長12回一ゴロ失策)以来8年ぶりだ。21日ののヤクルト戦に勝てば、無条件で昨年に続き前半戦の首位ターンが確定する。ただし、ヤクルトに●か△で阪神○なら首位陥落。巨人が前半最終戦で首位を譲ると76年以来34年ぶりになるが今季はどうか。
 ▼巨人・伊原ヘッドコーチ(ヤクルト・増渕の失策でのサヨナラ勝利に)増渕のところに転がらないかなぁ、って思っていた。まあ(相手の失策がなくても)誰かが打っていたでしょう。
 ▼巨人・脇谷(10回に先頭で右翼線二塁打を放ち、サヨナラの生還)何でもいいから塁に出ようと思っていた。いい仕事ができて良かった。

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2010年7月21日のニュース