鳥谷逆転サヨナラ弾!阪神4連勝

[ 2010年7月21日 06:00 ]

<神・広>延長10回、鳥谷は左越えに逆転サヨナラ2ランを放ちナインの手荒い祝福の中、生還する

 【阪神5-4広島】わずか9球で、スタンドのため息は大歓声へと変わっていた。延長戦では阪神球団史上初となる逆転サヨナラ弾。クールな鳥谷もさすがに興奮を隠せないでいた。

  「苦しい試合だったので勝ってよかった。そう思いながら走ってました」。延長10回に2点を勝ち越されて、甲子園には敗戦ムードが漂った。重苦しい空気の中でもナインはあきらめなかった。先頭の代打・林威助が中越えソロ。途中出場の関本が中前打でつないだ。そして鳥谷。直前3試合は13打数1安打と大不振で、この試合もここまで4打数無安打だったが、サインはバントではなく「打て」だった。「調子を落としている感じがしたけど。何とかしてくれるという(気持ちだった)ね」と真弓監督は振り返る。

 「次につなぐことだけを考えた」という鳥谷は必死だった。外の球を三遊間へ打つイメージをしっかり持っていた。3球目。142キロ外角低めの直球を左翼ポール際へと叩き込んだ。11号逆転サヨナラ2ラン。自身3本目の劇砲に本塁付近で待ちかまえるチームメートの輪に、両手を広げながら飛び込んでいった。

 首位巨人もサヨナラ勝ちで0・5ゲーム差は変わらないが、4連勝のチームの勢いは増すばかりだ。「どんな形でもいいから勝って終わりたい。首位に立ったら最後まで守れるようにしたい」と鳥谷は意気込んだ。21日こそ逆転首位ターンを決め、後半戦の主役に躍り出る。

 ≪鳥谷のサヨナラ弾は3本目≫鳥谷(神)が延長10回に逆転サヨナラ2ラン。自身サヨナラ本塁打は05年6月22日中日戦の12回、同年10月5日横浜戦の10回に放ったのに次いで通算3本目。阪神の打者で延長戦のサヨナラ本塁打3本はカークランドと並ぶ最多タイ記録になった。また、この日のように延長戦での逆転サヨナラ本塁打はラロッカ(オ)が07年8月24日楽天戦で打って以来だが、阪神では鳥谷が球団史上初めてだ。

 ≪藤原プロ1勝≫阪神のドラフト2位ルーキー・藤原がプロ初勝利を挙げた。初のお立ち台に立った左腕はファンから大歓声を浴び「鳥肌が立つくらいうれしかった」と満足げに話した。延長10回に4番手の安藤が打ち込まれ、2失点。なおも1死二塁だったが、悪い流れを切れのいい5球で断ち切った。「これ以上点をあげられない場面でいかせてくれたのはうれしかった」と相好を崩した。

 ▼阪神・鶴(白星はならずも7回2失点の力投)7回の(岩本に浴びた)本塁打が課題。あれを乗り越えないといけない。きょうの展開でいったら自分で抑えないと。

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2010年7月21日のニュース