“スラッガー”井口 苦しいチームを2発で救う

[ 2010年5月27日 06:00 ]

<広・ロ>3回無死、ロッテ・井口は左越えに2打席連続ホームランを放ち笑顔でファンの声援に応える

 【ロッテ9―1広島】2発で3連敗阻止!ロッテの井口資仁内野手(35)が26日、広島戦で自身今季初の1試合2本塁打を放ち、チームの連敗を2で止めた。同じくメジャー帰りの広島・高橋建投手(41)から初回の先制3号3ランに続き、3回にも4号ソロ。ここまで今季2本塁打でつなぎ役に徹してきた井口だったが、苦しいチーム状況の中で日米通算216本塁打のスラッガーとしての本領を存分に発揮した。

【試合結果


 苦しいチームを救ったのは井口のバットだった。今季初の1試合2発。しかも序盤の2打席連発という、最高の形で勝利を決定づけた。
 「チームが2連敗していたし、3連敗は絶対したくなかった。ケガ人も出てきたし、何とかしたかった。いい形で先制できてよかった」。ルーキーの荻野貴や小野ら負傷者が続出する中、負ければチーム今季初の3連敗。苦境に井口の集中力は高まった。初回無死一、二塁から先制3ランを放つと、3回も先頭でソロアーチ。2本塁打で、初先発した高橋との元メジャーリーガー対決に完勝した。
 右方向への強い打球が井口の最大の特徴。今季は3番に固定され、つなぎ役に徹してきたが、チームの窮地にスタイルを変えた。いずれも引っ張って左翼席へ。それも2ストライク1ボールと追い込まれながらフルスイングに徹した。「本塁打はたまたま。阪神に連敗した嫌なムードを消し去りたかった」。2本のアーチは沈滞ムードを振り払い、4発9得点の大勝劇につながった。
 反省も生かされた。25日阪神戦(甲子園)では2併殺打で「引っ掛け気味になっていた」。練習ではダイエー時代からの師匠・金森打撃コーチにチェックしてもらい、スイングの軌道や打つポイントを後ろに修正。1本目は外角シンカーを拾い上げ、2本目の高め直球は軸回転でスタンドまで運んだ。
 西村監督は「打線がよく打ってくれたし、特に井口の2打席連発が大きかった」と感謝。井口は最後にこう言った。「チームスローガンの“和”を表すように、あしたからつなぐ意識でやっていきます」。つなぎ役もいいが、スラッガー井口も魅力たっぷりである。

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2010年5月27日のニュース