球団史上25年ぶり屈辱…川上「勝ち方わからない」

[ 2010年5月27日 06:00 ]

マーリンズ戦の3回、メイビンに本塁打を打たれ、顔をしかめるブレーブス・川上

 ブレーブスの川上憲伸投手(34)が25日(日本時間26日)、マーリンズ戦で開幕から7連敗を喫した。6回を7安打3失点に抑えたが、打線の援護に恵まれずチームは4―6で敗れた。開幕7連敗は日本人投手ワーストを更新中で、球団の投手では85年以来25年ぶりの屈辱となった。チームは今月に入り14勝8敗と好調だが、川上だけ蚊帳の外に置かれている。

【試合結果


 出口が見えない。今季9度目の先発でも川上は初勝利を手にできなかった。日本球界で112勝を挙げた男は「負けに慣れているというか、勝ち方が分からない」といら立ちすら見せず、淡々と話した。
 前回登板で発症した腰痛をこらえながら、球威が出ない直球主体ではなく、制球難だったツーシームを再び多投。昨年8月31日に同じ球場、同じ相手に挙げた7勝目以来白星から遠ざかっており「勝つ投手は多いでしょう。6回3失点だったら」と嘆いた。球団では85年P・ペレス以来25年ぶりとなる開幕7連敗。ペレスは連敗中の12試合で防御率6・17だったが、川上は4点台だ。ブ軍のチーム得点数(45試合で206)はリーグ16球団中8位タイながら、川上の先発試合に限って打線の援護がない。球団によると、今季先発した試合での平均得点は2・70でナ・リーグの全先発投手の中で6番目に低い。
 とはいえ、川上も決してリズムのいい投球ではない。今季9試合のうち初回に失点したのは6試合。さらに、この日は逆転した直後の3回、先頭打者のメイビンに同点4号ソロを浴びた。「投げていても1点が怖い。だからミスが起きるし、野球が窮屈になる」とマイナス思考から悪循環に陥っている。魂のこもった本来の投球を取り戻す唯一の良薬は白星だけだ。

 ≪なぜここまで勝てないのか…≫今季の川上のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)は、これで4度目。それでも勝てない理由として挙げられるのが、昨季より低くなったゴロ率(表中の項目A)と、高くなった2ストライク後の被打率(同B)で、ともにリーグ平均より悪い。米国では決して速球派の部類に入らず、奪三振も多くない川上にとっては、いかにゴロを打たせるかが生命線。さらに、追い込んでから打たれていることで球数も増え、自身も野手もリズムに乗れないという事態を招いている。

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2010年5月27日のニュース